【強姦した人間に親権を発生させない】法案可決の背景にあったものとは

親権――。子供を監護、教育し、その財産を管理するための親の権利である。

これは、主に離婚などの場合において、その有無が取り沙汰されたりすることが多いことで知られている。今回、この親権に対して〝ある決定〟を米国の地方自治体が下したことで、にわかに注目を集めているという。

ABCニュースが31日に報じたところによれば、アメリカ・メリーランド州の上院において、強姦によって妊娠した子供の親権について、「強姦を行った人間に親権を発生させない」という法案が、このほど満場一致で賛成票を投じられたという。45表中45票が賛成となったというこの法案は、10年近く可決されることがなかったが、今回優先させられるべき議案と位置付けられていたという。

昨年、議員たちは4月まで開催された議会において、この法案を可決しなかったために批判されていた。この法案は、法案への支持を表明している州知事・ラリー・ホーガンの署名を受けて間もなく施行されると見られている。

上院の司法手続委員会の議長を務めるロバート・ジーキン上院議員は、「議会は8回この法案を全会一致で通過させ、我々もこれをうまくやろうと思っているが、これはすなわちこの法案がリスクを併せ持っていないことを意味するわけではない」と語り、この法案には、有罪判決を受けていない父親も含まれる可能性があるため、被告人への正当な手続きに関する複雑な問題が提起されたと述べ、同時に犠牲者を守るための法律にも関連した問題が起きるだろうとした。さらに、ジーキン上院議員は、「この法案が改善され続けているのは確かだが、法律が制定された後も、議員はこの法案がより良いものになるために継続して取り組む必要がある」とも語っている。

全米州議会議員連盟によれば、全米50州のうち、45の州とコロンビア特別区が、強姦者の親権を制限しており、そのうち30の州では、親権が完全に失われることが強制、あるいは要求すればできるようになっており、他の州とコロンビア特別区では、訪問などの一部の権利を制限するとしている。

これについて、ネット上の外国人の間では「これは当たり前のことだ」「むしろ法律ではないことに恐怖を覚える」と全面的にこの件について肯定するものが多い。しかし、一方では「こうした制度を利用して人々がレイプ訴訟をでっちあげる可能性も存在する」と、こうした法律がまた新たな問題を引き起こしかねないとする声が一定数存在していることも確かなようである。

モラル的に考えれば、賛同するべきものではあるものの、冤罪などの各種問題を生む危険性もあるこの法案。被害者を保護しつつも、新たな悲劇を生まないよう、最新の注意を払って運用してもらいたいものである。

(文◎コリス東条)