【人身売買の瞬間】メキシコでトラック車内から不法移民200人発見

日本人の心のドラマと呼ばれ、外国でも人気が高いという、NHK連続テレビ小説の『おしん』(1983〜84年公開)。とりもなおさず言えば、貧しい時代の日本において行われた〝人身売買〟を描いたストーリーであり、そうしたことが行われた時代が日本にもあったという真実を合わせて伝えるものなのだが、世界を見ると、おしんが奉公に出された年という設定になっている1907年から100年以上経った現在でも、そうした人身売買が実際に行われている国が存在するようだ。

BBCが今月4日に伝えたところによると、アメリカ・テキサス州との国境の南に位置するメキシコ東部のタマウリパス州で、トラックの中から不法移民と思われる200人近くの人間が発見され、この件で3人が「人身売買の容疑」で逮捕されたという。この不法移民たちは、中央アメリカのホンジュラスやエルサルバドル出身で、アメリカに向かう途中だったという。

メキシコ警察は、チェックポイントでトラックが停車した際、スキャナーによって内部に隠れていた不法移民たちを発見した。彼らは食料や水がない状況で、換気も行われていない劣悪な環境に身を晒していた。さらに、移民のうちの24人が、親などの同伴者のいない子供であったという。

さらに、メキシコで人身売買が明らかになった例は、これだけにとどまらない。先月も、同じタマウリパス州と、同じくテキサスに国境を接しているメキシコ中部の州、コアウイラ州において、170人の中米出身の人々が、今回と同じような形で発見され拘禁されている。

今回の事件において発見されたホンジュラスやエルサルバドル、そしてグアテマラなどの人々が、こうした人身売買を経て、不法移民となる原因であるとされている。

この件について、ネット上の外国人の間では「貧しい人々…」「彼らが移民になってより良い生活を得ようとしていることについては哀れに思うが、不法に入国を行うことは間違っている。もちろん、彼らをだます詐欺師もだ」という貧しい国からの脱出を図るこうした不法移民たちについて一定の同情を示す声や、「メキシコが国民のケアをしない理由がこれだ」「もっとメキシコはもっと自国を大事にすることに金をかけるべきだ」と、移民がメキシコ人であると錯誤し、メキシコを責める声などが多い。だが、最も多いのは「これがアメリカに壁が必要な理由だ」「やはり国境には壁と、より厳しいセキュリティーが求められている」と、トランプ大統領の〝メキシコとの国境に壁を作る〟という政策への支持を改めて打ち出すアメリカ人と思われる人々の声だ。やはり、こうした不法移民の問題について、当事者であるアメリカの人々は、よりナーバスになっているということなのだろう。

麻薬カルテルや彼らが起こす残虐な事件、そして不法移民問題など、ネガティブなニュースがクローズアップされ続けるメキシコ。果たして今後、彼らはこうした状況を打破し、悪評から脱却することができるのだろうか。今後に注目したい。

(文◎コリス東条)