【木造船漂着】無理を承知で日本海沖へ〝突撃〟する北朝鮮漁師たち

今月26日、秋田県男鹿市の海岸で〝また〟北朝鮮のものとみられる木造船が漂着しているのが見つかった。同日午前8時半すぎ、海岸近くの住民から通報があり発覚したという。

海上保安庁によると、船は全長7メートルほどの小型船で、2日前の24日には約30メートル沖合で傾いた状態で浮いていたという。目撃者は「ライフジャケットは波打ち際に2つ。ボロボロのが寄ってきた」と報告している。

ここ数日、これ以外にも北朝鮮からの木造船の漂着が相次いでいる。秋田県内では、今月23日にも由利本荘市の海岸に、北朝鮮のものとみられる木造船が漂着。全長20メートルほどの船には水揚げしたイカが積まれており、船体には至るところにハングル文字が確認されている。乗っていたと見られる男性8人はすでに保護され、朝鮮語で「1カ月半ほど前に北朝鮮の港を出港しイカ釣り漁をしていたが、船が故障し、およそ1カ月間漂着していた」と説明しているという。いずれも北朝鮮への帰国を希望しているとのことだ。

しかし、秋田県警は、2日後の25日午前10時前の時点で、この船が係留していた現場からなくなったことを明らかにしている。降り積もった雪の重みで海に沈んだか、流された可能性があるとして、警察は調査を続けているという。

また、新潟県では、25日午前6時半ごろ、佐渡市の海岸で大破した木造船とみられる木片と、男性とおぼしき身長約170センチの遺体1体が発見されている。佐渡海上保安署は、北朝鮮から漂着した可能性があると見て調査している。また、26日に身長約150センチの別の男性の遺体も発見されていることから、関連を調べているという。

さらに石川県では、今月15日午後1時45分ごろ、能登半島沖約360キロの日本海上で、転覆した北朝鮮の木造小型船が発見され、乗っていた男性3人が海上保安庁により救助された。男性らは国籍を北朝鮮であるとし、「乗組員は15人」「漁をして北朝鮮に帰る途中だった」と話しているという。

一連の出来事について、北朝鮮事情に詳しいジャーナリストに聞いた。

「世界的に漁船は木造からFRP(繊維強化プラスチック)に変わり、高性能なエンジンを搭載。さらには漁獲探知機やレーダーなどのハイテク装備も当たり前になっている。しかし、貧困にあえぐ北朝鮮では旧態依然のまま。それでも、食糧事情が乏しいこともあり、無理を承知でも漁獲量が期待できる日本海沖出漁する。その結果、悪天候に襲われこのような事態が多発しているのだろう」

北朝鮮の貧困や食糧難が続く限り、このような漂着は今後も相次ぐのかもしれない。

(文◎朝比奈ゆう)