【差益15万円以上?】転売屋が明かす「iPhoneⅩ」争奪戦の内幕

世界のスマートフォンシェアで見ると2割程度であるにもかかわらず、日本において7割近くという圧倒的な人気を誇るiPhone。台湾の経済誌によると、iPhoneを製造・販売する米IT大手Appleが価格を抑えたスマホ「iPhoneSE」を刷新し、来年前半にも後続機種を発売すると報じている。

従来通り、後続機種でも4インチ(約10センチ)の小型画面は維持されており、価格は450ドル(約5万円)程度になるという。

毎年秋の風物詩となりつつあるのが、iPhoneの獲得劇だ。新機種の発売されるこの季節、今年は7の後継機種である「8」と、10周年を記念するⅩ(テン)が発売され、日本人のiPhone好きは留まることを知らない。

先述した「SE」は、元々「5C」から派生した旧型のSEの後継機種であり、10万円を超える新型iPhoneに手が届かない人を狙う価格に抑えたものだ。おそらく、また新型のiPhone欲しさに日本人は長打の列をなすのであろうが、すべてが純粋なiPhoneユーザーかと言うと、そうではない。行列の半数以上もの人間が、いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる〝転売を目的として〟iPhone入手を目論む人間だと言われている。

筆者の知り合いの転売ヤー(転売屋)も、今回のiPhoneⅩの争奪戦を戦ったが、その内幕を聞いた。しかし、結果を先に記してしまうと、思ったほどの利益は出なかったという。

しかし、某オークションサイトにおいて、iPhoneⅩは予約受付開始当日、驚くべき値段が付いた。Appleのシムフリー256GBが定価140,184円であるのに対して、倍以上となる30万で入札されたのだ。転売をするには一括でAppleから買わないと転売は出来ないにもかかわらずである。

当然、筆者の知る転売屋も、この値段を見て余計に力が入った。一台15万円以上の差益となれば、力を入れるなと言う方が無理かもしれない。

発売日前日の昼間、この転売屋は都内のAppleストアに到着。しかし、すでに店の前には20人以上の行列ができていた。発売日前日にこれだけ早く並べば間違いなく買えるだろうと思っていたが、甘かった。すぐ店員から、「当日の在庫はほとんどありません」とアナウンスがあったのだ。

それでも転売屋は並び続けていたが、夜間になると中国人と思われる男たちが現れ、小声で話して割り込みを指示していたり、後ろの方では怒声すら飛び交っていたという。彼らも間違いなく転売目的の人間であっただろう。

Appleストアが動いたのは、発売開始の2時間前だ。メールアドレスの準備、本人確認書類が必要などとアナウンスがあり、これを聞いて行列から立ち去る者、指示を仰ぐ者など、大勢に動きが会った。

すると、それらの人間たちから、さらなる転売を持ち掛けられたという。下は15万円から、上は25万円まで。しかし、その転売屋が首を縦に振るわけもなく、反対にその価格を耳にして気分は高揚する一方だった。Appleストアではあらかじめ1人2台までの購入制限を設けていたが、うまくことが運べば最低でも1台10万円、2台で20万円以上の利益が見込めたのだ。

しかし、その計画は、先に書いたように、予想を遥かに下回る収益に終わった。

話を戻すと、数時間、ようやくiPhoneⅩを2台手に入れた転売屋は、早速、某オークションに出品。しかし、思いのほか高値が付かなかったのだ。すでにライバルの多くが出品して売り抜けており、その後は思いのほか入札がなかったという。それは、明らかになったiPhoneⅩの仕様の変化も理由の一つだったのかもしれない。

「ホームボタンの廃止、指紋認証機能が廃止され、安全性、使い勝手の悪さが購買意欲を奪ったのでは」

あるマニアは、iPhoneⅩの低調な理由をこう分析した。またネットでは、口コミを見てからでも遅くない、という書き込みも目立った。さらに、入荷が年明けにずれ込むとされていたが、意外にもすぐに届いたとの声も多い。高額機種のため、多くのユーザーが割賦審査に落ち、そのため市場に台数が回ったとも言われている。

来春に発売が予定されているSEに、転売屋は見向きもしない。だが、一般ユーザーにとって、このSEの機能だけでも充分と思えるのだが。