【月20万円の手当】〝愛人契約・パパ活〟に群がる女を狙う詐欺師たち

 今年2月9日、警視庁は、「月20万円で愛人契約を結びましょう」とウソを言って、「愛人募集サイト」に応募してきた女性からクレジットカードをだまし取ったとして、無職の山内大地容疑者(22)と職業不詳の清水一将容疑者(32)の2人を詐欺の疑いで逮捕した。

 両容疑者は1月末、東京・文京区のホテルで、愛人契約サイトに募集してきた26歳の女性に対し、「愛人契約を結びましょう」「カードを預けてくれれば会社の経費からおろせるように手続きします」などとウソをつき、クレジットカード1枚をだまし取った疑いが持たれている。山内大地容疑者は「仲介役」を名乗って事前に女性と面接し、清水一将容疑者は愛人を募集している架空の会社社長の役で「志村宏一郎」と偽名を名乗り、ウソの名刺を渡して女性を信用させた上で、クレジットカードを受け取ったという。翌日、女性のクレジットカードからは、約34万円分が使われていたという。

 両容疑者は調べに対し、容疑を否認しているという。しかし、同様の被害が少なくとも10件近くあるといい、警視庁は余罪についても裏付けを進めている。

 女性が〝愛人契約〟を結んだ男性と、デートや食事などをする対価として金銭をもらったり、高級バッグや時計など高額なプレゼントをもらったりすることは、今も昔も珍しいことではない。その多くは、〝愛人〟というだけあって、体の関係が伴う場合が多いようだ。2年ほど前から、ネットを中心に〝パパ活〟という言葉が流行り、これを「副業」とする女性たちが多く現れたことで話題となったが、その爽やかな響きとは裏腹に、実態は〝愛人契約〟と同じと言っていいだろう。

 出会い系サイトを使った犯罪に詳しいジャーナリストの竹村明氏は、最近、「〝愛人契約〟や〝パパ活〟というキーワードで女性を騙す手口が横行している」と話す。

「今回のニュースで、『愛人募集サイト』とありますが、これは何かというと、要するに『出会い系サイト』のことです。最近では、出会い系サイトを使った犯罪の中でも、〝愛人契約〟や〝パパ活〟という流行りのキーワードを使って、接触した女性を騙すという手口が横行しています。愛人契約を結ぶという話を持ち掛け、『契約の前に、体の相性を確かめておこう』と女性を誘い、性行為をするだけで金を払わず逃げてしまうケースや、保証金や紹介手数料などが必要と理由を付けては女性から金を騙し取るケースが後を絶ちません。どちらとも、最初から騙す男性に対価を支払う意志はなく、〝愛人契約〟や〝パパ活〟という言葉に釣られてきた女性たちは、事前に毎月の高額報酬をちらつかせることで、騙しやすいのです」

 また、今回の事件で被害女性が騙されてしまった背景には、〝劇場型犯罪〟の怖さがあると、竹村氏は警鐘を鳴らす。

「今回の事件で、山内容疑者は『仲介役』、清水容疑者は『社長役』など、2人以上の人数で配役をこなす、いわゆる〝劇場型〟犯罪です。オレオレ詐欺などでもよく使われる手法ですが、最初に接触した人間が話していた内容に沿った人物が後から登場しても、人間は相手の話を信じてしまう傾向があります。そうした心理を利用したことで、女性も信じてしまったのでしょう」(前出・竹村氏)

 毎月の多額なお手当を目的に、特定の男性と付き合おうとする女性たちと、そのよこしまな心につけ込んでを金をだまし取る男たちーー。安易に〝愛人契約〟に手を出すのは、リスクと危険が伴うため、注意が必要だ。

(文◎朝比奈ゆう)