【ルワンダ発】女性蔑視発言をした問題牧師が生み出された歴史的背景

 Real News Onlineでは、これまでにもアフリカ・ケニアの選挙期間中にレイプが多発した事例や、同じくガーナにおいて月定中の女生徒が川を渡れずに学習の機会が失われた事例など、アフリカにおける女性差別についてのニュースをお伝えしてきた。先進国においては、ある種過剰なほどに〝ポリティカル・コレクトネス(政治的に正しい言葉遣い)〟が叫ばれ、最近もモータースポーツの最高峰F—1でグリッドガールが廃止になるという発表に賛否両論が巻き起こるなど、もはやこうした男女差別はタブーとなりつつあるのが世界基準のようである。しかし、ことアフリカにおいては、事態は全く異なるようなのだ。そんなアフリカで、再び物議を醸す事件が起こっており、話題を集めている。

 東アフリカに位置するルワンダのニュースサイト「NewTimes」やアフリカのニュースサイト「eNCA」が今月8、9日に伝えたところによると、先月29日、同国内のキリスト教系のラジオ放送局アメージング・グレイス・ラジオにおいて放送された、ある人物による説教が問題となっているという。その説教を行った人物とは、キリスト教系の新宗教「セブンスデイ・アドベンチスト協会」の牧師、ニコラス・ニウィビコラという人物だ。このニウィビコラ牧師が行った説教について、ルワンダのメディア委員会が調査を始めたという。

 ニウィビコラ牧師は番組の中で、「女性は神の恵みを受ける対象から外れている」「女性の中に善い点など何も発見することはできない」「もし貴方が聖書を読んだことがあるなら、誰が世界に罪をもたらしたのか、それは男ではない」などと発言したという。この内容を聞いた現地の女性権利団体プロ・フェムス・トゥウェス・ハムウェは、放送内容についてルワンダメディア委員会に苦情を送るなど、多くの人権活動家によって批判され、議論が巻き起こる事態となっていた。

 これを受け、ルワンダメディア委員会は、来週の12日にこの件についての審議を始めることを発表した。同委員会の事務局長エマニエル・ムギシャは、「ラジオ局がまずこの件についての説明をしなければならない」と語っているという。ルワンダのセブンスデイ・アドベンチスト教会はこの件について、ニウィビコラは5年前にルワンダのセブンスデイ・アドベンチスト教会から追放されており、同協会はある種、この問題人物から距離を置いていると発表している。

 この件について、ネット上の外国人の間では、「女性のいいところを俺なら見つけるけどな」「(聖書によれば)最も悪いのは、男性と女性のペアだ。彼は偉大な人間性を代表する同性愛者たちに焦点を当てるべきだね」と、皮肉などを交えてニウィビコラの主張に反対する意見が多い。一方で、「これが仮に女性で、男性について全く同じことを言っていたら同じように問題になっていただろうか」と、現在の男女差別の状況に疑問を呈する声、さらに「やはりすべての宗教は悪だ」と宗教事態の批判に話を広げる声なども見受けられるのも事実である。

 もちろん、今回の件に関しては特定の国の文化などに根差した男女差別問題ではない。とはいえ、こうした人物が軽々とメディアに登場し、自分の意見を述べられるような状況ができるというのは、先進国においては考えにくいことだろう。

 こうした〝差別の土壌〟が、世界の多くの場所で払拭されることを願ってやまない。

(文◎コリス東条)