【インド発】寝ている間に嫁の身体から腎臓を摘出した鬼畜夫らを逮捕

「カネ返せないなら腎臓売れやコラァ!」

 こんなセリフをマンガや映画などで読んだことのある人も多いのではないだろうか。
〝売れる臓器〟として闇社会では古くから知られる腎臓を借金のカタに取られる――〟
 そんなシチュエーションは、法治国家・日本においても、フィクションの世界で使い古されたものになるぐらいには有名である。事実、2015年には200万円で腎臓の提供を行う契約をしていたとして、ホームレスの男と暴力団幹部の男が臓器移植法違反の疑いで逮捕されるなどの事件も起こっている。アジアに目を移せば、ネパールで、村人のほとんどが腎臓を売り払っているという〝腎臓村〟が存在すると話題になったこともあった。
 このネパールでの社会事情が示すように、現在ではこうした臓器売買の提供元は、アジアなどの貧困地帯が圧倒的に多くなっていると言われている。そんな臓器売買に関連し、インド〝とある事件〟が起こり、注目を集めているようである。

 BBCが7日に報道したところによると、インド東部の西ベンガル州に暮らす女性が、夫と義弟により、腎臓を強制的に摘出されたと訴え、2人は逮捕されたという。リタ・サーカーという名のこの女性は、2年前に自身が腹痛を訴えた際に、夫が手配したコルカタの病院で虫垂炎の手術を行ったという。その時、夫は何故か「この手術のことを口外しないように」と警告してきたと、サーカーは語っている。
 この一件から数ヵ月後、彼女は体調を崩し、親族により医者に連れて行かれたというが、その時に診察した医師によって、彼女には右の腎臓がないことが発覚。再度、健康診断を行ったものの結果は変わらず、彼女の腎臓がないことが確定したという。

 元々、サーカーの夫は、結婚する際に持参金がなかったことについて度々蒸し返し、持参金を持ってくるように要求していたとされる。インドでは伝統的に、花嫁の家族が夫に対して持参金を持ち込むというのが習わしとなっていたというが、これは1961年に法律で禁止されていた。サーカーがインドのメディアに語ったところによれば、彼女はこの持参金をめぐる問題を理由に、長年家庭内で虐待を受けていたという。
 現地の警察は、「この事件には臓器の違法売買の疑いがある。この事件は臓器移植法の規定に基づいたものとして登録され、現在我々は3人を殺人や花嫁の拷問を計画した容疑で逮捕した」と声明を発表している。

 こうした腎臓移植は、きちんとした医療技術を持った施設において行う場合のリスクはかなり少ないと言われている。また、腎臓が一つになっても、長期の生存率においては差がないとされている。しかし、上記の条件に該当しない場合では、合併症や感染症などのリスクが存在するのも事実である。さらには腎臓提供後には高血圧や尿たんぱくの症状がみられる場合もあり、こうした場合はケアを行わないと心臓病、あるいは慢性腎臓病などへと進行する恐れもあるとされている。今回の被害者の場合も、体の不調というのがこの腎臓の摘出に因るものである可能性も十分にあるだろう。

 世界的な需要があるからこそ成り立つ〝イリーガル・ビジネス〟の代表格として知られる臓器提供。中には、提供者が金を得ることによって、被提供者は病気を治すことができるなど、Win-Winの関係を築くことができる「被害者なき犯罪ではないか」との声もあるのも事実である。しかし、こうした成功例の裏で、今回のサーカーのようなリスクに晒されざるを得ない弱者がいる、ということを我々は忘れるべきではないだろう。

(文◎コリス東条)