【大麻密輸事件】意外な場所に〝ブツ〟を隠していた暴力団組員を逮捕

警視庁は2月15日、コンテナ船で輸送していた木製のドアに乾燥大麻約100㌔を隠して密輸したとして、埼玉県久喜市青葉1丁目の指定暴力団松葉会系組員・下沢剛容疑者(53)と、同県吉川市保の無職・白土映司容疑者(47)と鈴木祥美容疑者(54)、同県久喜市南2丁目の大沢秀直容疑者(70)の計男女4人を大麻取締法違反(営利目的輸入)の疑いで再逮捕したと発表した。

下沢容疑者ら4人は他の何者かと共謀して昨年11月に、木製ドア12枚の中に乾燥大麻計約100㌔(末端価格約6億円相当)を隠して、南アフリカ・ケープタウン港からコンテナ船に乗せて発送。12月に東京都品川区の大井埠頭で陸揚げされ密輸した疑いが持たれている。木製ドアはおよそ縦200㌢、横80㌢、厚さ6㌢のもので、表面にはキリンやゾウなどの動物の模様が彫られていた。接着面を割り開くと中には空洞があり、そこに小分けにされた乾燥大麻が敷き詰められていたようだ。警視庁は、容疑者らの認否については明らかにしていない。

昨年12月21日、「南アフリカから運ばれてきたドアに大麻が隠されていた」と東京税関から連絡を受けた警視庁が税関と合同で調査していたところ、1月11日に都内の発送会社倉庫に保管されていたドアを、大沢容疑者ら3人が受け取りに来たという。その時を逃さず、警視庁は麻薬特例法違反(規制薬物としての所持)の容疑で現行犯逮捕し、同23日に下沢容疑者を同容疑で逮捕していた。

警視庁などは、「危険ドラッグの規制が強化されてから大麻の乱用が広がっている」として、取り締まりを強化するとともに、海外から違法な薬物を密輸して売りさばく大がかりな組織が関わっているとみて調べを進めているという。

違法薬物問題に詳しいジャーナリスト・竹村明氏は、「ここ数年、大麻の検挙件数が増えている」と指摘する。

「危険ドラッグに対する取り締まりが厳しくなり、市場に出回らなくなって以降、それに比例するようにして大麻の検挙件数が増え続けています。近年では、その需要に目を付けた暴力団が組織的に密売を行うようになりました。暴力団にとっては覚醒剤に次ぐ、新たな資金源になっている実態があります」

また、南アフリカは違法薬物の〝密造国〟となっている実態があるという。

「土地の広い南アフリカでは、様々な種類の違法薬物の栽培や製造ができ、人件費が安さもあって、以前より主にヨーロッパへに向けた違法薬物を作る密造国として利用されている実態があります」(前出・竹村氏)

取り締まりを強化すれば別の違法薬物の輸入が増える。そういったた〝いたちごっこ〟にならないためにも、徹底的な取り締まりの強化が求められている。

(文◎朝比奈ゆう)