【金塊密輸でまたまた摘発】容疑者が隠していた意外な場所とは?

平昌冬季オリンピックで盛り上がる韓国からのツアー客数人が、金塊を隠して密輸しようと計画・実行していたことが判明した。「またか」と思うような事件だが、こと今回の隠し場所に関しては、なんとも意外なところで、税関関係者も驚いたに違いない。

空港関係者によると、今年1月、いずれも韓国籍で50代と60代の女性ツアー客7人が、韓国・仁川空港から愛知県の中部国際空港に到着。その後、入国時のエックス線などの検査によって、7人の腹部に金属の塊があることが発覚した。金塊は丸みのある形に加工されていて、なおかつ透明な袋に入れられており、一人あたり5~8個(1個あたり約200グラム)を肛門に近い直腸の中に隠していたという。

中部空港税関支署は7人について、輸入時に必要な消費税と密輸行為のペナルティー(罰金相当の納付)を求める「通告処分」と取る方針だという。納付に応じれば金塊は返却する予定とのことだが、同署によれば、こうして体内に金塊を隠した密輸が発覚する事例は珍しいという。

金塊の密輸をめぐっては、今年1月、〝国内線に切り替わる予定の国際線旅客機〟を利用し、機内トレイに隠して密輸しようとした疑いで、男女6人が愛知県警に逮捕されている。また今月14日には、韓国・釜山の金海国際空港から金塊12個を密輸したとして、韓国人の男女7人が福岡県警に逮捕されたばかりだった。今回の韓国籍の7人については、常習的に金塊密輸に関わっているグループのメンバーであるとされている。

密輸問題に詳しいジャーナリストの竹村明氏は、金塊密輸の現状について、「過去最悪である」と話す。

「金の密輸は、消費税率が8%に引き上げられた2014年以降、目に見えて急増しています。2016年7月からの1年間に、税関が検察へ告発したり罰金相当の納付を通告したりした件数は、全国で467件にのぼっています。前年度比で、約1.6倍です。脱税総額も、前年度比の1.4倍にあたる約8億7000万円にのぼっており、過去最悪の現状です」

また、金塊密輸がなくならない理由について、竹村氏はこのように語る。

「密輸が減らないどころか増えている理由は、一言で言えば〝コスパ〟の問題に尽きると言えます。仮に密輸に失敗したとしても、金を輸入すること自体は違法ではないため、罰金と正規の消費税を払って、正式に輸入すればいいだけなのです。今回もそうですが、ほとんどの場合、金塊は返却されます。もろもろの経費を差し引いても、1回で運んだ金塊の5%は利益として残るのです。20回密輸に成功すれば、1回の失敗分は回収出来と言われています。密輸自体を組織的にやることで、なおさら回収しやすくなると言えます」(前出・竹村氏)

2019年には10%になる予定の消費税。そうなれば、金塊の密輸がより横行することは目に見えている。密輸した者に対して罰則を与えたり摘発したりするだけでなく、一刻も早く、密輸が出来ないような仕組み作りが求められる。

(文◎朝比奈ゆう)