【一斉摘発 】それでも「違法マッサージ店」が一掃されない理由とは

 警視庁は今月20日、風俗営業が禁止されている地域で性的なサービスを行ったことを理由に、〝違法マッサージ店〟の一斉摘発を行った。それにより、東京・板橋区にある個室マッサージ店「もみ楽」の経営者・岡部勝彦容疑者(62)ら3人を風営法違反の疑いで逮捕した。

 岡部勝彦容疑者ら3人は、営業禁止区域であるにもかかわらず、板橋区のビルの一室で男性客に対して、共に逮捕された中国籍の女(45)に性的マッサージをさせたなどの疑いが持たれている。この店では、他にもタイ国籍の女性2人が働いており、1カ月に450万円ほどを売り上げていたという。岡部勝彦容疑者は女性従業員らに対して、報酬として売上げの6割を渡していたとみられており、容疑を認めているという。

 また、同じ日には都内の別の2店舗も一斉摘発され、豊島区の個室マッサージ店では不法残留の疑いでタイ人の女性従業員が逮捕された。

 さらに去年にさかのぼると、短期滞在の資格しか持たないタイ人を日本のマッサージ店に斡旋して不法に働かせたとして、タイ人のブローカーの女が逮捕・起訴されている。警視庁は今回摘発した3店舗にも、このブローカーがタイ人を派遣していたとみて調べている。

 風営法により、風俗営業の許可が取れる場所というのは決まっている。そもそも土地は大きく分けると、住居地域、商業地域、工業地域の3つの用途地域に分けられる。そのうち、住居地域を除く地域では。風俗営業の許可が取れる。しかし、その地域内であっても、店の場所からおおむね半径100メートル以内に「保護対象施設」があると、その場所で風俗営業の許可を受けることができなくなる。「保護対象施設」とは、風俗営業から有害な影響を受けないように風営法により一定の保護を受ける施設のことで、学校、図書館、児童福祉施設、病院、診療所がそれに当たる。また、保護される距離は、50メートル以上、20メートル以上、10メートル以上など、施設によって異なる。これらの法律を守らない場合には、今回のように風営法違反容疑で摘発されることになる。

 こうした違法マッサージ店で働く外国人女性のほとんどは、「〝不法滞在者〟や〝不法残留者〟である」と話すのは、風俗業界に詳しいジャ-ナリスト・竹村明氏だ。

「そもそも、日本の風俗店で勤務可能なのは、日本人の配偶者がいる場合か特別永住者であって、学生や興行ビザ、就労ビザでは勤務出来ません。ところがタイやフィリピンなど東南アジアの女性たちの中には、日本で稼ぎたいと考えている人が後を絶ちません。ブローカーはそうした女性たちに『日本のマッサージ店で働けば稼げるよ』など近づき、日本の違法マッサージ店で働かせます。しかし、実際には、手数料や飛行機代など様々な名目をつけては、女性たちから多額のお金を詐取し続ける悪質ブローカーがいて、問題になっているのです」

 日本で稼ぎたい外国人女性と、サービスを受けたい男性客。それらを利用する風俗店とブローカー。利害が一致する限り、違法マッサージ店や不法に働く女性たちは減らないのだろう。

(文◎朝比奈ゆう)