【電子たばこ絡みで逮捕】禁止のニコチン入り液体…その危険性とは?

 大阪府警は今月8日、電子たばこに使うニコチン入り液体を無許可で販売したとして、同府枚方市の電子たばこ販売店経営者の山本成樹容疑者(44)と、従業員の男(31)の2人を医薬品医療機器法違反(無許可販売)容疑で逮捕した。

 山本成樹容疑者らは、昨年11月から今年1月にかけて、自身が経営する販売店やインターネット上で医薬品のニコチン入り液体17本(2万6500円分)を、客3人に無許可で販売した疑いが持たれている。調べに対して2人は容疑を認めており、「ニコチンを入れたことは客へのサービスで、値段は上乗せしなかった」と供述しているという。

 現在、国内ではニコチンを含んだ液体の電子たばこへの使用は認められていない。しかし、捜査関係者によると、ニコチンを含んだ液体が販売されているという情報が寄せられため、今年1月になって警察が枚方市の販売店『VAPES』を捜索したところ、この店で今年1月までのおよそ3カ月の間に、未承認の液体を客3人に店頭やインターネットで販売していたことが分かり、逮捕に至ったという。

 山本成樹容疑者らは、ニコチン入り液体を中国から輸入し、注文を受けるたびに注射器を使い、市販の液体が入ったボトルにニコチンの原液を混ぜて販売していたという。そのため、「何ミリグラム入れてほしい」など、客の注文に応じてニコチンの濃度が濃い液体も販売していたようだ。

 捜査関係者によると、同容疑者らは2013年秋頃から店頭販売を、14年からネット販売を開始。ネットだけで少なくとも150万円を売上げていたとみられている。さらに、電子たばこ用のニコチンの違法な販売が摘発されたのは全国で初めてということだ。

「電子たばこ」とは、香料などの入った液体を加熱してその水蒸気を吸い上げるもので、禁煙目的で使用されることが多いものだ。一方、たばこの葉を加熱して蒸気を摂取する「IQOS」や「glo」、「ploomtech」などは〝加熱式タバコ〟というジャンルに属している。

 当編集部の解説員で、薬事法に詳しいジャーナリスト・竹村明氏によると、「現在の日本では、個人輸入でしかニコチン入り液体は入手できない」という。

「現在の日本では、電子たばこ用のニコチン入りリキッドは、健康被害につながる恐れがあるとして、薬事法により国内販売が禁止されています。そのため、国内にある電子タバコ専門店などで買うことはできません。一方で、自分が使う量だけを個人輸入して使用することは認められています。海外の多くは、ニコチン入りリキッドが合法的に販売されており、たばこの代わりとして利用する人も少なくありません。日本で、ニコチン入りリキッドを入手するには、海外で購入し、税関に申告して日本に持ち込む方法と、海外の電子タバコ専門店のサイトなどから直接購入する方法の2つがあります。しかし、どちらも手間と時間がかかるため、割高になってしまいます。また、禁煙目的で電子たばこを吸う人の中には、ニコチンがないため物足りないと感じるようになる人も多いことから、国内でニコチン入りリキッドを販売することは、それなりに客がいたと考えられます」

 しかし、そこに大きな危険性があるという。

「山本成樹容疑者らは、客のオーダーによってニコチンの含有量を変えていたということですが、適量を超えて濃度の高い液体が出回ってしまう危険性があり、健康面と依存面で、とても危険性があると言えます」(竹村氏)

 やめたくてもやめられない人が多い、それが〝たばこ〟だ。禁煙目的で電子たばこを始めた結果、通常のたばこよりも多いニコチンを摂取することになってしまっては、本末転倒である。ニコチン依存症患者にとって、ニコチンの量をオーダー出来るとは、なんとも恐ろしい話である。こういた違法な店舗は、一刻も早く摘発されることを願う。

(文◎朝比奈ゆう)