【英国発】「先なのはジャム?クリーム?」スコーンをめぐって大騒動

 日本では、ほぼ同じ「お好み焼き」という名前の料理でありながら、広島と大阪ではまったく作り方や趣きが異なったり、住民たちはそれぞれの作り方に対する強いこだわりを持っている。このように、こうした郷土料理への愛というものは、古今東西共通してあるもののようだ。そんな郷土料理について、イギリスでとある騒動が起こって注目を集めているという。

 BBCが今月12日に報じたところによると、イギリスのコーンウォール州ボドミンにあるナショナルトラスト施設ランハイドロックの広告が、地元民を怒らせて騒動になったという。問題となったのは、同施設が母の日である今月11日にFacebook上に投稿したクリーム・ティーの写真である。

 このクリーム・ティーというのは、イギリスの喫茶習慣であるアスタヌーン・ティーの一種で、紅茶にクロテッドクリームとジャムを乗せたスコーンのセットのことである。スコーンの上にジャムを塗り、クリームを乗せるのがお決まりとなっているが、このランハイドロックの行った投稿では、スコーンの上にクリームが乗せられ、その上にジャムが乗せられているという写真が添付されており、それが地元住民たちにとっては許しがたいものであったという。

 この投稿を行われてから、300人以上の人々がスコーンの写真について「ぞっとする」「気分が悪くなった」とコメント。中には「ナショナルトラストの会員をやめよう」という過激な発言をする人も現れるような状態となったのである。

 この事態を受けて、ランハイドロックの観光マネージャーであるリチャード・レヴィは「本物の間違いである」とこの騒動を認めて謝罪。さらに、ランハイドロックのスタッフたちに『#JamFirst(ジャムが先)』と書かれたバッジを着用することを約束した。レヴィはBBCの取材で、このバッジについて「(ランハイドロックを)ジャムハイドロックという名前に変えようとしているという噂があるが、それは真実ではない」というジョークを付け加えている。

抗議後に作られたバッヂ

 この一件はイギリス国内においても話題となり、BBCの記事によればSNS上で『#creamfirstandproud(クリームが先だし、それを誇りに思っている)』というタグをつけて投稿するものや、「謝罪などしなくていい。味は一緒なのだから。世界にはそれ以上にひどい残虐行為があるというのに」と、この騒動に呆れたような声をあげている者もいるという。

 この騒動を日本に置き換えてみれば、広島焼きで記事の上に麺を乗せてしまって問題になるようなものだろうか…。

 もちろん、こういった郷土料理は、伝統があればあるだけ、マナーに反した食べ方をすれば、気分を害する人も多いのかもしれない。とはいえ、こうした騒動になるほどの物かと言われると首を傾げたくなるのも確かなのだが…。

 いずれにせよ、現代のネット社会がこうした少しのミスで炎上する危険性がある、という事を我々は頭の片隅に置いておくべきなのかもしれない。

(文◎コリス東条)