【米国発】絞首・薬物注射・ガス室…死刑囚を処刑する最良の方法は?

 死刑――。

 今もなお世界的にその是非について問われ、議論が巻き起こる話題の一つだ。だが、死刑にまつわるもので議論が巻き起こるのは、その是非だけではなく、執行方法についても同様である。例えば、日本では執行に「絞首刑」を採用しており、アメリカの場合は州によって異なるが、「薬物注射」が基本となっているとされている。しかし現在、死刑廃止論が主流となりつつあるヨーロッパ各国の製薬会社はアメリカに対して死刑に使う薬品の輸出を禁止するなど、薬物注射による死刑執行の意地が難しくなりつつあるようだ。このため、2015年にはアメリカ・ユタ州で「銃殺刑」が再び合法化されるなど、多くの州で薬物注射の代わりとなる死刑の執行方法を模索しており、旧来よりの〝残虐〟な執行方法を取り入れることに対して批判が集まっているのが現状のようだ。

 そんな中、オクラホマ州においても死刑執行に関する動きがあり、注目を集めている。

 BBCが今月15日に伝えたところによると、アメリカ・オクラホマ州は14日、「窒素ガス」を使った死刑の執行を開始し、2014年以来停止していた死刑執行を再開する予定であることを記者会見で発表したという。この会見では、同州の司法長官マイク・ハンターが窒素を採用する理由について、「入手のしやすさ」と、「苦しみのない死をもたらすことができる」点にあると説明。同州は今後数カ月で、この死刑執行方法に関する実施要綱を策定するために連携をとっていく方針であることを述べたが、いつ死刑執行が再開されるのかに関しては明言をしなかった。

 オクラホマ州では、2014年に殺人罪で死刑判決を受けていたクレイトン・ロケットへの死刑執行の際に、薬物を注射した血管が破裂し、薬物がうまく吸収されないというトラブルが発生。ロケットは40分ほど悶え苦しんでから死ぬという事態を受け、それ以来、死刑執行を停止していた。ロケットの執行に用いられた薬物は、上記の薬物の輸出停止問題などの影響で、従来と違ったものを事前の試験をすることなく使用したとされており、そのことに対する批判が殺到。死刑の執行方法を見直すために、執行が停止されたわけだ。このため、オクラホマ州には現在、刑の執行を猶予されている死刑囚が17人いるという。

注射を用いた処刑は論争の的となっている

 この件について、ネット上の外国人たちは、「アメリカは実に野蛮だ」「ヒトラーのようだ」「そもそも死刑に得るものなどない」と死刑執行に反対する者たちによって多くの批判の声が上がっている。一方で、「死刑になるやつらは死ぬ前に多くの痛みを味わうべきだ」「絞首刑のほうがいい」「モルヒネをたくさん使えばより確実に痛みのない死を迎えられるのではないか」という死刑に賛同する、あるいは方法にだけ異論を唱える声もあるが、BBCというイギリスのマスコミが発した記事という影響もあるのか、死刑廃止を支持する人々が多く反応しているのが見て取れる。

 窒素ガスを吸い込むと、一瞬で酸欠になって意識を失うと言われているため、オクラホマ州の主張に正当性がないわけではないだろう。だが、外国人のコメントにもあった通り、ガスによる処刑はヒトラーによるユダヤ人虐殺を思い起こさせる部分があるのもまた事実で、嫌悪感をもって受け止める人々も大勢いるだろう。今後、このオクラホマ州の決定はさらに多くの議論を呼ぶことになりそうだ。

(文◎コリス東条)