【LGBT問題】ケニアでゲイ男性への「強制的な肛門検査」が禁止に

同性愛者などの性的マイノリティーたちは、古来より多くの迫害を受けてきたことで知られている。現在はレズ、ゲイ、バイ、トランスジェンダーの頭文字をとった「LGBT」という言葉の認識も上がってきており、オランダやフランス、イギリスなどのヨーロッパ諸国を中心として同姓婚が認められる国も出てくるなど、こうした性的指向への理解が広まりつつある。一方で、いまだにそうした性的マイノリティーに対して、理解が得られない国が多く存在しているのも事実である。

そんな国の一つに、東アフリカに位置するケニア共和国が挙げられるのだが、この国で同性愛にまつわるとある動きがあり、世界的な注目を集めている。

BBCが今月23日に報道したところによれば、人権団体の働きかけにより、ゲイと疑われる男性に対し、「強制的に肛門の検査を行う捜査は拷問の一種であり、違法である」と、ケニアの裁判所が判決を出したという。ケニアにおいて同性愛行為は有罪となり、最大で14年の懲役が科されるという。

2016年以前において、ケニアの裁判所では、こうした肛門の検査が同性愛者への強制的な肛門の検査は、合法であるという判決が出されていた。しかし、今回の判決によって、それが覆された形となった。

世界的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、ケニア以外でも、カメルーン、エジプト、レバノン、チュニジア、トルクメニスタン、ウガンダ、ザンビアの7カ国で行われているという。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、この肛門検査を「残酷で非人道的、かつ屈辱的な」プロレスであると主張。医師側は、この検査の際には医療従事者が対象となる男性の肛門を視認するとしているが、同団体は指などを被告人の肛門に挿入することも、こうした検査の中に入っていると主張している。この判決について、ケニアの同性愛者人権委員会の弁護士は、「こうした無意味な肛門検査によってもたらされる屈辱と苦しみは、行われた人間のその後の人生でも続いていく」と今回の判決を支持している。

このケニアにおけるLGBTの人権を保護する大きな節目ともなりうる判決が出たことに対し、ネット上の外国人たちは、「これは本当に行われていたのか、何たることだ」「うわー…これは…」と驚愕する声や、「裁判に勝利した同性愛者人権委員会を祝福したい」と、人権意識の高まりを歓迎する声が多い。それに対して、中には「彼らは私を拉致し、肛門検査をやった…エイリアンか…いや、ケニア人だ!」という皮肉っぽいギャグをいうものなども見受けられる。性的マイノリティーが公然と迫害される国が現在もあるということに、衝撃を受けた人々が多いようだ。

日本でも渋谷区や世田谷区などが2015年に、同性カップルに婚姻関係に近しい権利を与える「同姓パートナーシップ」を認めるなど、こうした同性愛の人権に関する認知は広がりつつある。とはいえ、上記の肛門検査を行っている7カ国など、〝特殊〟と言われる性的指向を持つ人々に対して風当たりの強い国は依然存在しているのが実情だ。

果たして、今回のケニアの一件が、こうした国々のおける同性愛者の人権の向上に一石を投じることになるのか。今後に注目したい。

(文◎コリス東条)