インド首相がアプリの個人情報を流出させて悪用していた衝撃の理由

今月下旬に明らかになった世界的SNSのFacebookから個人情報が流出していた問題。これを機に、世界中で警鐘を鳴らしているが、これは何も他人事ではない。日本においても、2015年に起こった年金機構の職員がメールからウイルスに感染させて個人情報を流出させてしまった問題や、ネット掲示板の最大手である2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のビューアーを使用しているサーバーがハッキングされて情報が流出した事件などは記憶に新しいところだ。

しかし、インドにおいてはなんと、一国のトップがその個人情報の流出に関わっているのではないかとの疑惑が勃発し、現地で話題となっているという。

BBCが今月26日に報じたところによれば、インドの首相であるナレンドラ・モディの公式モバイルサイトアプリが、登録者の情報を流出されているとして批判を受けているという。エリオット・エルダーソンと名乗るセキュリティー関連のリサーチャーがSNSのTwitter上で発言したところによると、このアプリは登録者の個人情報を米国の会社が持つドメインへと送信しているとのことだ。

この問題はインド国内でも話題となり、現在最大野党であるインド国民会議の議員であるラフル・ガンジーは、この流出問題について「やあ、私はナレンドラ・モディ。インドの首相だ。君が私の公式アプリに登録すれば、私は君の全ての情報を米国の会社にいる友人へと渡すだろう」と、皮肉ったコメントをTwitter上で発表するなど、多くの批判を浴びているのが実情だ。

モディの所属政党であるインド人民党はこのことを否定し、関係のあるコンテンツにだけ、こうしたデータを使用していると声明を発表。先週、Facebookのユーザーの個人情報を悪用したとして批判を浴びている選挙コンサルティング会社のケンブリッジ・アナリティカとインド国民会議の不適切と思われる関係が取り沙汰されており、ガンジーの批判はその注意をそらすために行ったものだろうと発表した。その後、モディの公式アプリはプライバシー・ポリシーを24日に変更したと伝えられているが、果たして個人情報の管理がどうなっていたのかは謎に包まれたままだ。

この件について、ネット上の外国人たちは「インドの首相はデータ泥棒だ!」「〝善い統治のためのアプリ〟だと? なんていうゴミだ」とモディを批判する声が多いが、中には「SNSのトレンドも事実上データを売っているようなものじゃあないか」「アプリにはこうした権限が求められるものが多く、それを大きく取り上げたガンジーの策略がうまくいったということだ」というようなコメントも見受けられる。一国の首相が情報を盗んでいたという疑惑は衝撃的なものではあるが、直前に野党と情報を悪用した選挙コンサルティング会社が起こしたスキャンダルの影響で、このニュース自身がいわば〝火消し〟ではないかという疑いを持って見られていることもまた確かなようだ。

日本でも、安倍晋三首相にまつわる森友、加計問題などが世間を騒がせているが、一国のトップともなれば、わずかな疑惑で国民の信頼を失いかねない、というのは世界共通だということだろうか。いずれにせよ、国を動かす力を持っているこうした人々には、クリーンな政治を行ってもらいたいものである。

(文◎コリス東条)