【ブラジル発】サッカー中継で女性レポーターが〝痴漢〟された結果…

映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ騒動に端を発した、一連のセクハラ告発運動。この際、SNSでは『#MeToo(私もです)』というハッシュタグが大流行し、今まで声を上げずにいたセクハラ問題を告発するのによく使われたことが知られているが、この流れに新たな潮流を生み出すかもしれない問題が現在ブラジルで発生し、話題になっているという。

CNNが先月の30日に報じたところによると、ブラジルの女性スポーツジャーナリストたちが、これまでに受けたセクハラ被害を訴えだし、話題をさらっているというのだ。

この運動のきっかけとなったのは、先月14日に行われたブラジルの人気サッカーチーム、ヴァスコ・ダ・ガマと、チリのウニベルシダ・デ・チレが対戦した、コパ・リベルタドーレスの試合の最中に起きたとある事件である。女性レポーターのブルーナ・デルトリーが、ヴァスコ・ダ・ガマのホームスタジアムであるサン・ジャヌアリオに中継で訪れ、現地の雰囲気をカメラに向かって伝えていた。すると、ヴァスコのファンと思われる上半身裸の男が、ブルーナにキスをしたのだ。ブルーナは一瞬取り乱したものの、その後冷静に対応して、その場では収まったように思われた。だがその後、ブルーナはSNSのFacebookへ「私は、ファンとお祭り騒ぎをするのは好きだし、ファンがビールをかけたり、周りを走り回ったり、足を踏んだりするのは気にならない。様々なサッカーの戦術や技術など、そうした分析を勉強し、素晴らしい話を伝えようとしてきた。しかし、(キスをした)彼にとって、私はただの女性であったという事だろう。私は記者であり女性で、それを尊重される資格がある」と投稿した。

このFacebookの投稿を見た同じようなスポーツジャーナリストの女性たちが、ブルーナとともに結束。そしてスマートフォン向けのインスタントメッセージアプリであるWhatsAppにそれぞれが1分程度の長さの動画を投稿した。その際に、ポルトガル語のハッシュタグである『#deixaelatrabalhar(英語で言う#LetHerDoHerJob 彼女に彼女の仕事をさせてやれという意味)』を動画に添えていた。これらの動画は先月25日に投稿されてから注目を集めだし、これを受けてブラジルのスポーツ相や女性政策国家事務局は、セクハラが犯罪であるということを周知するキャンペーンを、同国の女性アスリートを起用して始めたという。

現在、この動きに賛同した人々は、ブラジル全土でスポーツジャーナリズムに携わる女性100人以上に増えているとされる。彼女たちはこの運動を国際的なものにしていこうと考えているという。

日本においても、2010年にサッカー・南アフリカW杯で日本が勝利した際、お祭り騒ぎ状態となった渋谷駅前のスクランブル交差点で痴漢行為が続出したことがあった。このように、スポーツ観戦などの場における女性への嫌がらせは、世界各国で数多く存在しているのである。

果たして、この運動は世界的な潮流へと変化し、こうしたスポーツ観戦などの場におけるセクハラを抑制する効果を得ることができるのか。今後に注目したい。

(文◎コリス東条)