【被害総額1億円】時効まで残り1年半で逮捕された特殊詐欺犯の結末

来年の7月に時効が迫っていた事件が解決したと話題になっている。

2011年に埼玉県や東京都に住む高齢の女性らに対し、税理士のふりをして「新たな社債を買えば、損を取り戻せる」という内容のウソの電話をかけ、現金1120万円を騙し取っていたとして、詐欺グループの主犯で東京都港区の無職・勝又和幸容疑者(37)を逮捕したと発表した。勝又和幸容疑者らは、同様の手口で全国の44人を被害に遭わせていたと見られており、被害総額は9400万円にもなるという。

この詐欺グループの残りのメンバー13人はすでに有罪判決を受け、収監されていたが、勝又和幸容疑者はこの逮捕から逃れたまま、時効が来年7月に迫っていたのだ。 警視庁の取り調べに対し、勝又和幸容疑者は「身に覚えがない」と、容疑を否認しているという。

時効まで、残り1年半というギリギリのところで解決したこの事件。しかし、「このような特殊詐欺は今年に入っても被害が増えているから注意を怠ってはならない」と警鐘を鳴らすのは、本誌解説員でジャーナリストの竹村明氏である。

「勝又和幸容疑者の手口は、特殊詐欺の代表的なパターンの一つですね。警視庁の執念の捜査が実を結んだ形ですが、実際に被害弁償はされていないでしょうから、被害者は泣き寝入りで本当にお気の毒としか言いようがありません。勝又和幸容疑者らが詐欺を行った時期は、オレオレ詐欺に代表される振り込め詐欺が一般に認知されて、認知件数・被害総額が極端に少なかった時期と一致しています。この頃、オレオレ詐欺から形を変えて進化していったのが、勝又和幸容疑者らのグループが行っていた還付金詐欺などの特殊詐欺です。その被害は増加傾向にあり、注意が必要です」

逃げ回っている間に、騙し取ったおよそ1億円のお金は消費し尽くしてしまったのだろうか。事件は解決したものの、被害者たちの戦いがこれから始まると思うと、なんともいたたまれない気にさせる事件である。

(文◎RNO編集部)