生活保護受給者の凶行…「生活できない」長崎の泥酔&刃物男を逮捕

今年10月から3年かけて段階的に引き下げることが決まっている生活保護費。当サイトでは過去、金沢と横浜で起きた生活保護費をめぐって役所の職員に対して包丁を振り回す受給者の事件を伝えたが(3月15日)、今度は九州・長崎県でその種の事件が発生してしまった。

今月6日午前10時前、長崎市役所の別館を生活保護の相談のために知人女性と訪れていた男が、「今の生活保護費では生活ができない。それじゃ納得できない」などと大声を出し、持っていたカバンの中から包丁を取り出し、対応した市の職員を脅したという。事件当時、近くには80人ほどの職員がいて、その中に警察OBの職員もいたため、容疑者はそれらの職員に取り押さえられた。なお、怪我人は発生していない。

警察によると、暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されたのは長崎市相生町の無職森雄二容疑者(54)。警察は引き続き、一緒にいた女性、市役所の職員などから事情を聞き、当時の詳しい状況や動機などを調べている、森雄二容疑者は取り調べで、容疑を認めているという。なお、森雄二容疑者は事件当時、酒を飲んでおり、酔っ払いながら市役所庁舎を訪れていたようだ。

生活保護費に不満を抱え、対応する窓口で刃物を振り回すのは、前述した金沢・横浜での事件と同様である。なぜ、このような生活保護受給者による事件は後を絶たないのだろうか?当サイトの3月15日の記事でも記したように、現在の生活保護はアンバランスな一面を抱えており、低所得者よりも金銭的に恵まれていた家庭などもあったようだが…。実際に数字で表してみよう。

東京都に住む41才から59才までの単身世帯で計算してみると、生活保護の総支給額は13万3860円。内訳は、生活扶助額が80160円、家賃補助が53700円であり、医療費は全額免除だ。労働による収入も月に1万5000円までは認められている。今回、事件の起こった長崎市では、総支給額が10万8450円で、内訳は生活扶助が7万2450円で、家賃補助が3万6000円である。地方などは物価が安いことを考慮されてこの金額なのだろう。だが、森雄二容疑者らが言うように、本当に「(この金額では)生活できない」ものなのだろうか。

本誌解説員でジャーナリストの竹村明氏は、「今回のような事件を決して許してはならない」と断罪する。

「生活保護は最後のセーフティーネットと呼ばれ、国民の誰もが最低限の生活を受ける権利を保持するということから作られた生活保護法によって守られています。そこでは、自立を促すための一時的な制度だと決められているのです。高齢者、体に障害のある方などで、仕事に就けない方もおりますが、今回事件を起こした森雄二容疑者はどうだったのでしょうか。その点は明らかにされておりませんが、この種の事件を許してはならない」

金額や対応に不満があるというは誰しも一緒であり、さらに酒に酔って刃物を振り回し対応した職員を脅すというのは言語道断である。生活保護法は弱者を守る法律であり、それらの原資は国民が納めた税金によって成り立っていることを、より自覚するべきであっただろう。当サイトでは引き続き、注視していきたい。

(文◎RNO編集部)