【松山刑務所から脱獄】指名手配された平尾龍磨容疑者の素顔を公開

リアル・プリズンブレイク

古くは周囲を海に囲まれたアメリカの「監獄島」ことアルカトラズ刑務所や、日本では極北に設置された網走刑務所など、刑務所といえば周囲を高い塀に囲まれ、絶対に脱走不可能なイメージがつきものではないだろうか。しかし今回、刑務所から受刑者が脱獄してしまったことで、そのような施設ばかりではないことが、はからずも証明されてしまっている。

愛媛県今治署は今月8日の午後6時頃から7時頃の間に、今治市にある松山刑務所大井造船作業場から受刑者1人が脱走したと発表。9日になって逃走の疑いで平尾龍磨容疑者(27)を指名手配し、顔写真を公表した。ネットなどでは「リアルプリズンブレイクだ」と大騒ぎになっている。

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愛媛県警が公開した、逃走中の平尾龍磨容疑者

平尾龍磨容疑者が松山刑務所からどのようにして脱獄したのか、その詳細は明らかになっていない。しかし、平尾龍磨容疑者は今治市の住宅に忍び込み車の鍵を盗み出し、その家の車で逃走。さらに、そこから約1㌔離れた2軒の住宅で財布から現金と車の鍵がなくなっており、こちらの車は盗まれていないものの、「車お借りします。一切傷つけません」というメモ書きが見つかっているという。その後、今治市からは瀬戸内海を挟んだ対岸の広島県尾道市向島で盗まれた車を捜査関係者が発見。さらに盗難車が見つかった現場から約1㌔の島内の住宅地では、平尾龍磨容疑者が刑務所での作業用に履いていた白い運動靴も見つかっていることから、島内に潜伏している可能性があるとみて、9日には愛媛県警が指名手配し、捜査は続けられている。

平尾龍磨容疑者は2013年、閉店中の理容店に侵入してレジや引き出しなどから現金を盗む窃盗事件を福岡、佐賀、熊本で立て続けに起こし、窃盗の疑いでもう一人の男(当時23歳)とともに逮捕、送検されていた。2人は同年3月から7月までの間に福岡、熊本、佐賀、大分、山口の5県で計121件の盗みをしたと認め、被害総額は405万以上に上るという。

この事件により、平尾龍磨容疑者は2015年から松山刑務所に服役。そして2017年12月から大井造船作業場へ収容されていた。残る刑期は2年あまり。平尾龍磨容疑者は身長約1㍍73㌢でやせ形、黒髪の短髪だという。

平尾龍磨容疑者が収容されていた松山刑務所とは、四国で唯一、犯罪傾向の進んでいない初犯受刑者を収容する矯正施設(A級、YA級、I級)である。そして平尾龍磨容疑者が昨年から収容されていた大井造船作業所とは日本で唯一「塀のない刑務所」として知られる松山刑務所の開放的処遇施設で、民間造船所「新来島どっく」の工場敷地内に置かれている施設である。審査や体力作りの訓練を経て、ここへ収容される者は決定されるという。つまり、大井造船作業所に入れるのは選ばれた囚人であり、全国から模範的な受刑者が収容される。そして仮釈放にも非常に有利に働く反面、軍隊並の規律の厳しさで知られ、その厳しさに耐えかねて、元の刑務所に戻ることを希望する人間も多いようだ。

今回の脱獄について、本誌解説員でジャーナリストの竹村明氏は「実はこの松山刑務所自体に問題が多発していた」と明かす。

松山刑務所は「警備が甘い」

「松山刑務所大井造船作業場が開設されて57年が経ちますが、今までに脱走者が17件20人も発生していて、かねてより警備の甘さがかねてより指摘されていました。2年半に1人が脱走している計算です。開放的処遇施設であるこの大井造船作業場は、日本で唯一塀や窓の鉄格子がありません。今日では民間に委託している刑務所、被害者のいない犯罪では刑の一部執行猶予なども行われていますが、刑務所は罪を償う施設であるということを根本的から考え直さないといけないでしょう」

指名手配中の平尾龍磨容疑者だが、2年余りの刑期に加え、捕まればさらに加算されることは間違いない。それにしても平尾龍磨容疑者は、なぜそれほどまでに脱獄を急ぐのだろうか。実は同じ罪で逮捕された共犯者がすでに出所しており、そういったことが根底にあるとの情報も当サイトには寄せられている。

重複するが、平尾龍磨容疑者は身長約173センチでやせ形、黒髪の短髪で、黒っぽいジャージー姿を着ていたという。現在、捜査は300人体制で行われているが、何か細かい情報をお持ちの方は愛媛県警今治署【0898(34)0110】もしくは広島県警尾道署【0848(22)0110】までお寄せいただきたい。一刻も早い事件の解決を祈ってやまない。

(文◎RNO編集部)