【暴力団組員が14年連続減少】それでもなぜヤクザを続けるのか?

ピーク時から6割減

減少の一途をたどっていると言われている〝暴力団勢力〟が、ついに過去最小の人数になったという。

昨年末における暴力団構成員は、前年から1300人減った1万6800人(前年度比7.2%減)で、暴力団に所属していないものの、その統制下で外部から活動に関わる準構成員は前年から3200人減って1万7700人だったと今月12日に警視庁が発表した。構成員と準構成員を合わせると約3万4500人で、2010年の7万8600人から7年で6割近く減ったことになる。

(関連記事:【懲戒処分】暴力団組員と交際した女性巡査はどこまで漏らしたのか?

14年連続の減少で、統計がある1958年以降最小となった。ちなみに、勢力のピークは1963年の約18万4100人であった。減少する要因について警察庁は、「暴力団排除活動の浸透や取り締まりで暴力団の資金確保が一層難しくなっている。暴力団が特に若い組員の新たな獲得に窮している」とみている。

本誌解説委員でジャーナリストの竹村明氏は、これだけ減少した要因について、こう解説する。

「1992年に暴力団対策法を施行、さらに2011年には暴力団員との金銭の貸し借りを禁じることなどを盛り込んだ暴力団排除条例が全国で施行されたことが大きく影響してると考えられます。暴力団組員だと銀行口座の開設や賃貸住宅の契約、ローンの契約などができなくなり、社会生活を送るのに大きな支障が出るようになりました」

一方で警察庁は、減ったうちの一部について、暴力団との関係がうかがわれる「準暴力団」や「半グレ」と呼ばれるグループに移行している可能性があるとみて、こうした集団の実態解明や取り締まりを進めるとしている。

暴力団組員は減っているものの…

しかし、これだけ暴力団勢力が減少しているにも関わらず、暴力団との関係性が指摘される「振り込め詐欺」は減少していないようだ。

昨年1年間に全国の警察が認知した振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害件数は、1万8201件(前年比28.6%増)と7年連続で増加している。被害額こそ3年連続減少しているものの、1回あたりの被害額が少ない架空請求が増えている。

「暴力団構成員や準構成員は減少していますが、準暴力団や半グレと呼ばれるグループを支配下に置き、振り込め詐欺などの犯罪をうまくやっている組は、それなりに資金があります。言い換えれば、暴力団勢力が減少していても、犯罪を行う準暴力団や半グレグループが資金源となっているのです。一方、飲食店からみかじめ料徴収や恐喝など、昔からのやり方をやっている組は資金確保が難しくなっている状況です」(前出・竹村氏)

(関連記事:【暴力団の資金源に?】風俗情報誌をめぐるトラブルの裏側

(関連記事:【振り込め詐欺】群馬から出稼ぎの〝出し子〟2人が逮捕されたが…

近年では、もはや〝暴力団〟という組織に憧れる若者はいないと言っていいだろう。しかし、組織には所属せずとも犯罪を繰り返す若者は減っておらず、暴力団はそうした勢力を上手く利用することでなんとか資金源確保を行っているということだ。これまでは、暴力団という組織に対して対策を行うことが有効であったが、今後は、そういった枠組みや組織に関係なく効果を発揮する有効な犯罪対策が求められてくるだろう。

(文◎朝比奈ゆう)