【米国発】末期がん患者に与えられた医療大麻にまつわる権利とは?

あの元女優も訴えていた医療大麻解禁

日本においては、いかなる理由による使用も認められていない大麻。しかし、アメリカにおいては、ワシントンやカリフォルニア、コロラドなどの8州で嗜好品としての大麻使用が認められているなど、連邦法上は違法でありながらも、事実上合法となっている地域も多く存在している。特に、近年において「大麻を医療に役立てよう」という動きが多く存在しており、アメリカにおいては29州、世界では30カ国以上で医療大麻の使用が認められている。

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そんな医療大麻をめぐり、アメリカで行われたとある裁判の判決が注目を集めている。

フロリダ州の新聞であるオーランド・ウィークリーが11日に伝えたところによると、同州中部にあるタンパに在住している患者がフロリダ州の保健省を訴えた裁判で、このがん患者が合法的に自家消費用の大麻を育てることを許可する判決が出たという。

訴えを起こしたのはジョー・レドナーというストリップクラブを経営する男性で、ステージ4の肺がんに侵されているという。レドナーは、医師が処方した自身の治療のためには、生きた状態の大麻が必要となると持論を述べた。さらに、こうした商品は医療用大麻の販売店には置かれていないことから、自身が育てる必要があると主張したのだ。

しかし、同州保健省は、「フロリダ州法では、認可された調剤機関だけが大麻を育成し、収穫し、分配ができる」とウェブサイトで述べられており、レドナーの大麻育成についても許可をしなかったことから訴えを起こしたという。

11日に行われた裁判では、担当したカレン・ギーバーズ判事が「裁判所は、フロリダの州憲法が医師の勧めた治療法に従うことができるよう、自家消費用の医療大麻を育てる権利を提供することを認めている」と判決を述べ、レドナーが医療大麻を育てることを認めた。しかし「この判決はレドナーのみに適用されるものであり、他の医療大麻を使っている患者は、この判決によって(自家消費用の大麻を育てる)資格を得ることができない」と、この判決によって、全ての医療大麻を利用する患者が、自家消費用の大麻を育てる資格を有するものではないと述べている。

医療大麻は是か否か…

この件について、ネット上の外国人たちは、「これは正しい方向への第一歩である」「ステージ4のがん患者に、苦痛を抑制する方法を与えるのはいいことだ」と判決を支持する声が目立つ。もちろん、中には「今後、フロリダ州の多くの人がガンになるんじゃないか?」「覚醒剤はもっといいんじゃないか?」と皮肉を言う者も見受けられるが、こうした医療大麻の使用について、概ね賛成している人が多いようである。

日本においても、元女優の高樹沙耶が医療大麻の解禁を訴えたり、末期がん患者の山本正光被告が大麻取締法で逮捕された際、医療用の大麻であったと主張したことでその裁判に注目が集まったりなど、度々医療大麻が話題にあがることはある。実際の効能とリスクを正確に把握した上で、こうした医療大麻を選択肢の一つとして認めることを検討すべきか――。それは筆者自身には判断が難しいが、少なくともただ拒否反応を示すだけでなく、議論を重ねた方がいいことは確かだろう。

(文◎コリス東条)