【黒幕摘発へ?】歌舞伎町・違法賭博店を2店舗摘発

逮捕されたのは「名義上」の代表者?

警視庁は今月12日、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルでカジノ賭博店とパチスロ賭博店の違法賭博店2店舗を摘発し、経営者の男ら4人と客5人の計9人を逮捕した。

逮捕されたのは、歌舞伎町で違法カジノ店「ペアペア」を経営する坂本政彦容疑者(59)ら2人だ。同容疑者らは歌舞伎町にあるビルの屋上に建てたプレハブ小屋にバカラ台を2台設置して、トランプなどを使ったゲームで客に高額な金をかけさせるバカラ賭博をさせていたという。また、同じ雑居ビルの4階に入っている違法パチスロ店「ソーキソバ」の経営者・笈田悟容疑者(45)と従業員の男も逮捕され、2つの店にいた客5人も逮捕された。笈田悟容疑者らは、容疑を認めているという。

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屋上に設置されたプレハブ

捜査関係者によると、坂本政彦容疑者は昨年11月ごろから看板を掲げずに同店を経営していたようだ。また、2つの店には取り締まり対策として入り口の鉄扉が常に施錠されており、監視カメラを設置し、モニターで客の顔や会員登録証を確認してから開けるなど、摘発逃れと思われる行為をしていたという。

警視庁は、坂本政彦容疑者らがこれまでに少なくとも1600万円以上の利益を得ていたとみて調べを進めている。また、押収した帳簿や顧客名簿を調べ、2つの店の経営に暴力団が関わっていないかなど捜査していくとしている。

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本誌解説委員でジャーナリストの竹村明氏は、「違法賭博店が減らない理由」を、こう解説する。

「違法賭博店の経営は、逮捕されたとしても実刑になることは少なく、経営がうまくいけば、数カ月で開店資金などを回収でき、多額のお金を稼ぐことができると言われています。また、『名義人』という仕組みがあり、摘発を受けた際に逮捕される『名義上の社長』を立てているケースが多く、本当のオーナーは別に存在することがほとんどです。名義人は毎月数十万円を『名義料』として受け取り、摘発があった際に自身が社長であると主張するのです。そうすることで、本当のオーナーに捜査の手が及ぶのを防いでいます。違法賭博店で働く者の中には、実刑判決を受けなければ、逮捕ぐらいされてもいいという発想を持つ者は少なくありません。こうして豊富な資金を持つオーナーは逮捕されることなく金を稼ぎ続け、少しでも多くの現金が欲しい従業員は、体を張って稼ぐ。こうした仕組みが、違法賭博店を支えているのです」

押し寄せるギャンブル依存症患者たち

さらに、「客」による別の理由もあるという。

「また、『ギャンブル依存症』の人たちによる需要も大きいです。一度でも勝つと、また勝てるという気持ちになってしまうのが、ギャンブル依存症患者の特徴です。警察の摘発があれば、客も逮捕される危険性があるのに、それでも違法賭博店に行ってしまう。そうしたギャンブル依存症の客たちが、盛り場には多く存在します。そのため、違法賭博店の多くは、摘発されても場所や店名を変えて、経営を続けられるのです。浄化が進む歌舞伎町ですが、違法賭博店はそう簡単にはなくならないでしょう」

そろそろ〝いたちごっこ〟という言葉で片付けてしまうのは、おしまいにしたいところだ。本気で浄化を目指すならば、それなりの対策と刑罰を、早急に講じていただきたい。

(文◎朝比奈ゆう)