【中国発】両親の死から5年…「代理出産ベイビー」にまつわる問題点

両親は5年前に死亡

医療技術の進歩に伴い、不妊治療にも様々な方法・ケースが生まれている。その一つが「代理出産」だ。これは体外受精によって、クライアントとなる夫婦の受精卵を作り、それを「代理母」となる女性の子宮に入れて出産するというのが一般的だ。

この方法は、クライアントとなる女性が、体質、あるいは手術、事故などによって、子宮がない場合などに使われることが多い手法である。日本国内においては、倫理上の問題などから事実上禁止となっている。しかし、海外に目を映すと認可されている国はそれなりに多く、日本人であってもこうした国に渡って代理出産を行うというケースもしばしば聞かれるようになった。

しかし、こうした代理出産においては、代理母となった人物が子どもの引き渡しを拒否するケース、あるいは代理出産によってもうけられた子どもが障害を抱えていたために、依頼した夫婦が引き取りを拒否する事例など、いまだ様々な解決しない問題が多く存在しているのも事実である。そして現在、この代理出産において、中国で前代未聞のケースが発生したと話題になっているという。

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BBCが12日に報じたところによると、中国で自動車事故により2013年に死亡した夫婦の子供が、代理出産によって生まれたという。もともとこの夫婦は、体外受精をした受精卵を南京病院に冷凍保存していたようで、それが事故後、夫婦それぞれの両親はこの受精卵を使って子どもを作るために、長く法廷で戦い、この受精卵の権利を獲得。中国国内において代理出産は禁止されているため、ラオスにてこの代理母による出産を行ったという。

その後、生まれてくる子供の市民権の問題から、このラオス人の代理母を出産前に中国に観光ビザで呼び寄せ、昨年の12月に中国国内で出産を迎えた。出生後、この子どもはティアンティアンと名付けられた。しかし、国籍などの問題から、この子の祖父母となる夫婦の両親たち4人は、血液を提供したDNA検査により、血の繋がりがある実際の孫であることを証明しなければならなかったという。

「自分の家族の未来が繋がった」

この件について、ネット上の外国人たちは、「素晴らしい、まさに我々が必要としていたものだ」「祖父母たちにおめでとうと言いたい。自分の家族の未来が繋がった」と、こうした技術の可能性について称賛する声があるものの、「物心ついたころに、両親は死んでいると伝えるのか? 残酷だな」「まったく賛同できない」と、倫理観などから反発する声に分かれ、賛否両論の状態になっている。科学技術により、以前は不可能だったことができるようになったことを喜ぶべきか、あるいは踏み込んではならない領域だと考えるか…。国や宗教、個人音考えによって、この件へのリアクションは様々なものに分かれるようだ。

冒頭にも書いた通り、日本ではこうした代理出産が事実上の禁止状態にあるが、このケースと同じように受精卵の冷凍保存は認められている。そのため、将来的にはこうしたケースが起こりえる可能性も十分にあると言えるが、果たしてこうした問題に直面した際、日本の司法はどのような判断を下すのだろうか。いずれにせよ、こうした医療技術の進歩にともなった法整備などによって、多くの人々が幸せになれるような形を、国が決めておかねばならないことは確かだろう。

(文◎コリス東条)