【拳銃10丁、実弾200発】比国籍男の部屋が〝武器庫〟だった理由

「寮の部屋の中に爆発物のような不審ものがある」

警視庁組織犯罪対策5課は今月13日、住所不詳、無職、フィリピン国籍のミトラ・チャールズ・エイロン・アロンゾ容疑者(29)を銃刀法違反(単純所持)の容疑で逮捕した。4月初旬までミトラ容疑者が居住していた建設会社の寮の室内からは、なんと拳銃10丁と実弾二百数十発が見つかっており、所持した目的や入手ルートを追及するという。

ミトラ・チャールズ・エイロン・アロンゾ容疑者(Facebookより)

捜査関係者によると、10日午後0時10分頃、東京都府中市にある建設会社の社員から「寮の部屋の中に爆発物のような不審ものがある」と府中署に通報があったという。駆けつけた署員がミトラ容疑者が住んでいた部屋を調べたところ、クーラーボックスとキャリーバッグの中から回転式拳銃2丁と自動式拳銃8丁、実弾二百発以上が見つかった。

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ミトラ容疑者は、同社の下請けである別の建設会社の社員として数年前から勤務していたが、今年4月初旬に解雇されていた。なお、寮には2年ほど前に入居していた。10日になって同社の従業員が清掃のため入室したところ、室内からクーラーボックスとキャリーバッグが見つかったという。ミトラ容疑者は10日午前中にこの部屋で目撃された以降は行方をくらませていたが、13日の午後1時半頃になって府中警察署に出頭してきたという。

逮捕容疑は4月10日、同社寮の一室で回転式拳銃1丁を所持していたとしている。「ケースは預かっていたもので、中身は知りません」と容疑を否認しているようだ。

ミトラ・チャールズ・エイロン・アロンゾ容疑者(Facebookより)

〝暴力団の武器庫〟だった可能性も

それにしても、拳銃10丁と実弾二百数十発とは、暴力団の抗争でも使い切れないほどの量である。この事件について、本誌解説員でジャーナリストの竹村明氏は次のように分析する。

「今回の事件では、フィリピン人が逮捕されたことから、フィリピンから密輸された拳銃なのではないかと想像しがちですが、その可能性は低いでしょう。なぜなら、かつてはフィリピン製の拳銃が多く密輸され暴力団関係者の間で広まっていましたが、それらは米国などの拳銃のコピー品がほとんどで、とにかく品質が悪いと不人気でした。その後、実際に現地の軍や警察が使用する中国製やロシア製の拳銃が大量に出回るようになり、さらに流通量は下がりました。また、今回の押収品の中には、構造が複雑なオートマチック式が含まれていることからも、これらのことが裏付けられていると言えるでしょう」

また拳銃10丁、実弾二百数十発もが押収されたことについても次のように言及する。

「密売目的の可能性も十分にありますが、〝暴力団の武器庫〟だった可能性も捨てきれません。近年、警察の捜索や職務質問のレベルが上がり、暴力団などの反社会勢力は事務所や自宅とは全く異る場所に隠す傾向が強まっているからです」(竹村氏)

突如、東京都内から10丁もの拳銃と多数の実弾が見つかった今回の事件。どのような真実が眠っているのだろうか。真相の解明が待たれる。

(文◎四菱 紘淳)