「処女について話し合おう」NFL元チアリーダーが受けた性差別の闇

強制的に男性経験を告白させられて…

最近話題になったところで言えばF-1のグリッドガール廃止など、いわゆる「職業美人」と呼ばれるような職業が少なくなりつつある。これは、それらの職業が「女性差別的である」と捉えられる機会が増えてきたからであろう。世間ではそれに賛同する声、いささかやりすぎなのではないかという声など、様々な意見が生まれ、議論を呼んでいる。そんな職業美人に関するとある事件がアメリカで起こり、注目を集めている。

BBCが13日に報じたところによると、アメリカンフットボールNFLの名門チームであるマイアミ・ドルフィンズの元チアリーダーが、チームに対する訴状をフロリダ州のヒューマン・リレーションズ委員会に出したという。クリスチャン・アン・ウェアというこの27歳の女性は、チアリーダーとして所属していた16年、チームディレクターに彼女の性遍歴についての聞き取りを受け、処女であることを理由として不当な扱いを受けたと主張している。彼女を担当する弁護士によれば、ウェアは信仰の問題から、結婚するまでは性行為を行わないと決めていたという。

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ウェアの主張によると、発端は15年の秋だった。イギリスのロンドンにあるウェンブリー・スタジアムで行われたニューヨーク・ジェッツとの試合の前、現地に向かう長距離バスの中で、チームのディレクターであるドーリー・グロガンがダンサーたちの男性経験について聞き取りを行い、彼女はその場で処女であることを認めされられたという。これは、その試合の合間に行われるショーの時に、ダンサーたちがこうした男性遍歴を語るというパフォーマンスのために行われたと言われており、そのため、ウェアはほぼ強制的にそのことを告白されられたようだ。

さらに、その後に行われた年間の勤務評価の際、グロガンから「あなたが処女であるという件について話し合おう」と言われ、周囲に処女であることを話さないように言われたそうだ。その後、バスでの出来事から3年後にウェアはチームをやめた。

彼女はこの訴訟について、BBCの電話取材に対し、「これはチームへの犯行ではなく、チアリーダーたちによってより良い場所にしたいだけだ」と語っている。これに対し、マイアミ・ドルフィンズはBBCの取材に「16年に、我々はチアリーダーに対する我々のスタンスや期待に反する事件が起きたことを知った。その後問題に対処し、その時の上司を叱責し、チーム全体に謝罪させた」「我々は、チームに関係するすべての人々により良い職場環境を提供することに真剣に取り組んでおり、ジェンダー、人種、宗教的な信念に関する差別はしない」と声明を発表している。しかし、現地のメディアによれば、グロガンは今もディレクターの職に就いているという。

「職業美人」の誹謗中傷

この件に関し、ネット上の外国人たちの間では「冗談だろう。馬鹿げている」「誰も気にしないだろうに」「処女であることが間違っているというのか」と、処女であることを理由としてハラスメントを行ったチームへの批判が圧倒的に多い。中には「ドルフィンズのチアリーダーが処女…? 本物の神話だ」「チームのやつはどうやって処女であることを確かめたんだ?」というちょっといかがなものかと思わせる茶化し方をする声も少なくない。だが、ほとんどの人々は処女であるがゆえに嫌がらせを受ける、というこの事件のような状況に嫌悪感を抱いているということだろう。

少しこの事件とは趣が異なるが、日本でも今年3月に行われたリトルシニア中学公式野球協会関東連盟の始球式において、グラビアアイドルの稲村亜美が投球後に出場した中学生たちに囲まれ、体を触られたのではないかとする騒動が起こっている。こうした職業美人の人々が真に女性差別にあたるのか、あるいはなくしていくべきものなのかは議論するべき問題ではあるだろうが、上記の事件のような問題が起きれば起きるほど、こうした職業に対する批判が大きくなることだけは確かなようだ。

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(文◎コリス東条)