【携帯充電器から出火多数】あなたのモバイルバッテリーは大丈夫か?

今月13日、東京メトロ丸ノ内線の銀座駅で、爆発音とともに出火する騒ぎが発生。出火元は、〝また〟携帯電話のモバイルバッテリーであった。

各社の報道によると、同日午後2時前、男性が銀座駅構内を歩いていたところ、リュックサックから「パチッ」っと一度、音がしたという。その後も、続くように「パチパチ」と音がすると、モバイルバッテリーから出火。当時、現場にいた女性は「シューという音の後に目の前が何も見えないぐらい白いものが全体を覆ってきて、前が見えないぐらいになっていた。何が起こったんだろうというのがみんなの印象だと思う」と話している。その後、消化剤によって火はすぐに消し止められ、幸いなことにけが人や周辺への被害はないという。

実はこの、「モバイルバッテリーからの出火」が、各地で相次いでいるのだ。

モバイルバッテリーとは、外出先でもスマートフォンやタブレット、パソコン、電子タバコなどに充電できる携帯用の充電器であり、外出することの多いサラリーマンだけでなく、現代人にとっては今や必需品となっている。そんな電子機器が出火原因とは何とも恐ろしい話だが、今年9月にはJR山手線の神田駅で、走行中の電車の車内で男性が背負っていたリュックサックから出火。車内に煙が充満し、テロを思わせる騒ぎに発展。人々を恐怖に陥れた事態となった。その後の調査で、火元がモバイルバッテリーであることが判明したが、それ以外にも様々な場所で複数件起きている。

昨年9月、静岡県藤枝市では、ノートパソコン用のモバイルバッテリーから出火し、木造住宅の一部を焼く火災に繋がっている。同じ静岡県で今年5月、駐車中のワゴン車の後部座席で、充電中のモバイルバッテリーから発火。さらに10月、静岡県内の総合病院でも出火が確認されている。

製品評価技術基盤機構(NITE)の調べでは、2012年から昨年までの5年間で、モバイルバッテリーに搭載されたリチウムイオン電池による事故は全国で108件も発生。しかも、その数は、年々増加しているという。

近年では特に、通勤時間帯や外回りの移動中に、ネットで調べ物をしたり、動画を見たり、ゲームをしたりしている人は多い。つまり、ここ5年間でモバイルバッテリーを持ち歩く人がそれだけ増えたということなのだろう。

しかしなぜ、こうも出火事例が相次ぐのだろうか。

「近年多用されているモバイルバッテリーの中身は、ほぼすべてと言っていいほど、リチウムイオン電池が使われています。このバッテリーは、エネルギー密度が高く、小型かつ軽量で、大容量のバッテリーを作ることができます。また、大きな出力を出せて、バッテリーの寿命も長いため、あるゆるデジタル製品をバッテリーで駆動させている現代社会にとっては必須のものとなっているのです」(専門家)

しかし、先に述べたモバイルバッテリーによる出火事例の他にも、リチウムイオン電池が使われていることにより、ボーイング787のバッテリー発火事故やギャラクシーノート7のバッテリー発火事故も起きている。

「リチウムイオン電池を使用したバッテリーの発火・出火・発煙等の事故の原因は、大きく分けて2つあります。1つ目は、バッテリー本体に起因するもの。これは、バッテリーの生産時に金属粉などの異物が混入し、これが電極間のショートを引き起こして事故を起こすケースや、リチウムポリマーバッテリーのようにフィルム状のやわらかいフレームタイプのバッテリー、または固いフレームタイプのバッテリーでも強い衝撃を受けた時などに、フレームが変形しことで電極が接触してショートするケースなどです。どの電池もそうですが、衝撃には弱いという認識を持っている人は少ないと思います。また、劣化などでも発火する可能性もあります。2つ目は、バッテリーの充電や放電を制御する回路や装置の不良によるものです。最近では、安価で質の低い物も多く販売されています。」(同・専門家)

いざトラブルが起こると、中には大量のエネルギーが詰め込まれているだけに、激しく燃え上がる可能性も秘めているという。

安易に安い物を買うのではなく、しっかりと管理された環境で製造された製品を選ぶことが重要だろう。また、衝撃などには弱いため、取り扱いには注意が必要とのことだ。

(文◎朝比奈ゆう)2