「かぼちゃの馬車」不正融資疑惑のスルガ銀行、貸し付け実態の悪質さ

「かぼちゃの馬車」オーナーは現在700人ほどだと言われているが、本業を持つ普通のサラリーマンが大半だ。この一個人に1億円を超える融資を易々と行ってきたのが地銀のスルガ銀行である。

「スルガ銀行の17年の業務純益率(一般企業の営業利益に相当)は1.42%です。地銀の平均は0.3%ですから、驚異的な収益力をたたき出す地銀として、金融庁の覚えもめでたかった。スルガ銀行がマイナス金利の中で収益を伸ばした理由は、2~9%もの高利で個人に貸し付けをしてきたからです。本来なら他行が貸し出しをしない築古の物件やアパートローンでも、数日の審査でスピード融資をしてきたことで業績を伸ばしてきたのです」(前出・アナリスト)

他銀では利益が見込めないとして「かぼちゃの馬車」を融資対象とすらしていなかったが、スルガ銀行はこれまで累計1000億円もの融資を行っていた。スマートライフの破綻を受けて、金融庁は不適切な審査で被害を拡大させたとして、18年5月内にも立ち入り検査をする方針を固めている。

「スルガ銀行の疑惑は、高利で貸し出すという点だけではなく、ある一支店のみで『かぼちゃの馬車』への融資が行われていたことです。実際に支店内で購入ローンの説明会が開催されており、これは融資が銀行ぐるみだった可能性を示唆しています。また、融資申し込みの際に提出する銀行通帳の預金残高額にゼロが足されていたと証言するオーナーも現れました。さらに、購入者が望まない高利ローンを組ませるのと同時に、そのローン金額を同銀の低金利定期預金や積立預金に預けさせるという、『歩積み両建て』を行っていたという証言も出ています。業界ではスルガ銀行の強引な貸し付け実態は街金よりエグいと囁かれています」(前同)

「歩積み」とは担保貸し付けに対して割引額や預かり金の一部を預金として留保すること、両建てとは貸出金の全部または一部を貸出金とともに預け入れさせることをいう。

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かつて大蔵省により自粛措置の通達が出されていたが、1989年に廃止されている。貸し付け側の優越的地位を濫用し、自行の業績を水増ししてきたスルガ銀行。一連の不正行為を主導した疑惑は免れない。

(文◎宝丸)