ネットショッピングで詐欺被害拡大 騙されないための注意点とは?

「日本サイバー犯罪対策センター(JC3)」(東京)と警察庁は21日、インターネットショッピングで代金を支払っても商品を発送しないなど詐欺を目的とするサイト情報について、これまでに1万9834件を発見。さらに偽サイト対策などに取り組む国際団体「APWG」(米国)に情報提供したと発表した。

日本サイバー犯罪対策センターのHPより

以前、詐欺といえば「振り込め詐欺」が断トツの主流だったが、ここ最近で犯罪件数を増やしているのが、インターネットで欲しい商品を見つけ、代金を送っても商品が送られてこない、悪質なショッピング詐欺だ。

警察庁が把握しているだけでも今年5月以降、これまでに1万9834件を発見。2億4000万円の被害額を確認しているが、実際の被害はもっと多いであろう、と警察庁・JC3は注意を呼びかけている。

インターネットを検索していると、自分が欲しいと思った商品がピンポイントで検索サイトの上位に出現し、不思議に思ったことはないだろうか。大手検索サイトのGoogleなどはその方法を発表していないが、一部の企業などでこの技術は「SEO」と呼ばれており、専門の人間を雇って上位に表示されるように対策を取っている。

「SEO」とは「サーチ・エンジン・オプティマイゼーション(検索エンジン最適化)」の略で、常に特定のホームページを上位に表示されるように取り組むことを意味している。

ネット・セキュリティーの専門家である石川英治氏に、その仕組みを聞いた。

「ここ半年くらい、Googleなどが古いシステムを入れ替えいて、なぜか人気サイトにバナー、リンクを貼ると、上位に勝手にランクされてしまうことが頻発しています。しかも、このようなサイトは一週間もすれば消えてしまうのです。詐欺サイトの人間による犯行と思われますが、彼らは一週間程度で何個か商品が売れればいいと考えているのでしょう。入れ替えが終わったら、淘汰されると思われます」

警視庁、大阪府警、福岡県警、神奈川県警などは、JC3から提供された情報をもとに、振込先を特定。そこに記載されていた122の銀行口座に2億4000万円の入金を確認し、口座を不正に売買に関わったとして犯罪収益移転防止法などの容疑で中国人2人を含む合計43人を12月21日一斉摘発(逮捕者14人)した。しかし、主犯と思われる人物の逮捕には至っていないという。

逮捕された容疑者らの手法は、一般のサイトを踏み台にし、彼らが作った「家具・時計・かばん」の販売を装う詐欺サイトに自動転送させるというものだ。

警察庁によると、このような詐欺サイトは昨年夏頃から徐々に増え始めたという。検索結果に基づき、興味を惹かれたサイトにアクセスすると、一瞬だけそのサイトに繋がるものの、そこから自動的に詐欺サイトに転送されていた。今回の捜査で、272もの転送サイトが発見されている。

このように、多くの被害者を生み出した詐欺サイト問題だが、実は一般の消費者でも、注意深く見ていることで見分けられるという。JC3では、いくつかの見抜く方法を同センターのホームページで紹介している。そのいくつかを、以下に抜き出そう。

まずは「ドメインで見分ける方法」である。自分が意図していない悪質サイトに転送されていないか、URLで見分けられるという。アドレス末尾の「トップレベルドメイン(TLD)」に見慣れない文字の羅列はないか、確認するというものだ。

通常であれば、我々が目にするアドレスの末尾は、日本の企業であれば最後に「.jp」、企業であれば「.com」「.net」などがTDLに表示されるが、これが「.top」「.xyz」「.bid」など、見慣れない文字が羅列されることがある。ここにたどり着いた場合、怪しむべきであるという。

次に挙げているのが、サイト事業者・運営者の名称・住所・電話番号・責任者指名が記載されているかどうか、確認する方法である。これらの項目は、法律によって記載されていることが義務付けられている(特定商取引に関する法律第11条・特定商取引に関する法律施行規則第8条)。ただし、記載されていたとしても、架空の情報または実在する会社を騙っていることも多いため、注意が必要だ。連絡先がフリーメールの場合も、十分な注意が必要だという。

ほかに、「不自然な日本語はないか」、「暗号化通信かどうか」「決済方法」「商品情報」などでも見分けられるというので、興味のある方はJC3のホームページをご参照されたい(https://www.jc3.or.jp/)。

ネット通販を利用する世帯の割合は、02年に5.3%だったのが14年には25.1%に達するなど、ネットを介した商品売買は拡大する一方である。しかし、実際に見ないうちに商品を買うという行為は、色々な意味で勇気がいる行為である。ネット通販が始まって、まだ日が浅いため、知識のない人々を狙う詐欺師たちは後を絶たないが、こういった被害に遭わないためには、見慣れないサイトでは買わずに、大手の通販サイトで商品を選ぶということが、現時点では確実と言えるのかもしれない。

(文◉中田一行)