【米国発】都市伝説「スレンダーマン」に捧げられた少女たちの殺人

日本では、1997年に酒鬼薔薇を名乗る14歳の少年が起こした神戸児童連続殺傷事件や、2004年に長崎の佐世保で当時小学校6年生の女子児童が同級生の首を切って殺害した事件などが知られているように、少年少女による重大犯罪の事例は、世界中に存在している。こうした犯罪においては、年端もいかぬ彼らを凶行に走らせたものが何なのかという原因究明が多く行われるのが常だが、アメリカではインターネットにおける怪談を理由とした、少女2人の殺人未遂事件が話題になっている。

BBCが22日に報じたところによると、14年5月にウィスコンシン州ワウケシャで起きた殺人未遂事件の犯人として逮捕されていた2人の少女のうちの一人、アニッサ・ウェイアが、第二級殺人未遂の容疑で、精神病院で25年拘束されるという罰を宣告されたという。彼女はモルガン・ゲイサーと共謀し、クラスメイトの少女を2人して19回刺して殺そうとしたとされている。被害者はたまたま近くを通りかかったサイクリストにより救助され、一命をとりとめた。事件が起きた当時、少女たち3人は12歳だった。

ウェイアとゲイサーがこの犯行に及んだのは、ウェブ上に出回る怪談「スレンダーマン」を理由としているという。このスレンダーマンとは、09年にネット上で作られた怪談の一つで、細身ながら異常に高い身長の人物で、顔がのっぺらぼうのような、黒の背広を着た謎の男と設定されている。彼は子供をストーカーしたり、拉致したり、トラウマを与えたりするとされており、外国のインターネット掲示板やウェブサイトを通じて広まり、映画化やゲーム化されるなどのメジャーなものとなった。このスレンダーマンの存在を信じる彼女たちは、彼に捧げるために殺人を企てたと捜査官に語っている。ゲイザーも第一級殺人未遂の容疑で、来年2月に判決を受ける予定となっており、検察は少なくとも40年の精神病院における拘束を求刑しているとされている。

これについて、ネット上の外国人たちの間では、「彼女たちは精神病院ではなく、刑務所に入るべきだ」「ほかの国なら同じ状況でどうなると思う?」と犯人の少女たちにより重罰を求める意見や、「この架空のキャラクターは、実際に彼女たちの精神に影響を及ぼしているね」とスレンダーマンの影響力を指摘する声、「本当に25年で、彼女の精神的な病が治るのだろうか」という犯人の少女が社会に放たれる将来を危惧する声など、様々な意見が渦巻いている。

果たして、この事件はスレンダーマンという架空のキャラの力によって引き起こされたものなのか。あるいは、少女たちの闇がたまたまスレンダーマンをきっかけとして顕現し、凶行に走らせることとなったものなのか。いずれにせよ、こうした若年層の犯罪が今後少なくなることを願うばかりである。

(文◎コリス東条)