【風営法改正】今度のパチンコ出玉規制は業界にトドメを刺す!?

客離れで業績悪化の一途を辿るパチンコ業界だが、そんな状況に追い打ちをかける事態が起きようとしている。2017年7月、警察庁は風営法施行規則を一部改正。ギャンブル依存症対策という名のもと、パチンコの出玉規制に踏みきったのだ。

パチンコの場合、現行機の大当たり1回あたりの出玉上限は2400発→1500発に大幅ダウン。従来は連チャン次第ながら数時間で10万円勝ちも可能だったが、遊技4時間あたりの儲けの上限を5万円に抑えられるという。出玉性能は今までの3分の2程度。いくら依存症に対する抑止力とはいえ、パチンコの魅力は大きく失ったも同然だ。

パチンコ業界に詳しい経営コンサルタントは、「さらなる客離れはもはや避けられず、最悪の場合、全国で5000軒近いホールが2020年代半ばまでに潰れる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

「改正された風営法施行規則は2月1日からの施行ですが、3年間の経過措置期間が設けられており、この間は現行機の設置が認められています。そのため、“パチンコ業界の寿命はあと3年”とも言われています。過去の規制ではそのたびに規制をくぐり抜け、それでいて一定のギャンブル性を備えた機種が出てきましたが、今回は規制内容があまりに厳しすぎて各メーカーの開発もお手上げ状態です」

ただし、パチンコに比べるとパチスロは規制が若干緩いという。大手パチスロメーカーの社員は次のように語る。

「最近のパチスロは『○○ゾーン』や『××タイム』などと呼ばれる特殊ゲームを備えた仕様の機種が主流で、なかには『ミリオンゴッド神々の凱旋』や『アナザーゴッドハーデス』のように一撃1万枚オーバーを期待できる機種もあります。規制後は上限を3000枚と定めていますが、以前から一撃3000枚を出すことはそれほど多くないですし、終了後に再突入しやすい仕様にするなど規制に対応した形である程度のギャンブル性を保つことは可能。パチンコに比べると開発の余地が残されています」

とはいえ、業界全体にとって逆風であることには変わらない。“30兆円産業”と呼ばれたのは昔のこと。この20年で市場規模は21億円にまで落ち込み、1万8000軒あった店舗数も1万件を割り込む寸前だ。

この状況に中堅ホールチェーンの営業本部長は、「稼働率が高いのは1円パチンコや5円スロットなど低いレートのコーナーばかり。ウチもすでに不採算で閉めたホールもあり、延命は可能でも業績回復は正直難しい。就活を控えた大学生の息子には『パチンコ業界だけはやめておけ』と口酸っぱく言っています(苦笑)」と話す。

また、将来的に職を失う可能性があるのはホールやメーカーの社員だけではない。雑誌や動画番組などで活躍するパチンコライターも今後数年でかなりの人間が失業する危機にある。

「2年前まで月7~8本あったホールの来店実戦の営業は、今は3~4本と半分しかありません。警察庁がライターの来店実戦をホールイベントとみなし、規制が強まっているんです。実際、仕事がなくなって廃業に追い込まれているライターも出始めています」

そう嘆くのは、30代の男性パチンコライター。彼らの大半はライターと名乗っていても文章スキルも高くないため、雑誌ライターなどにシフトするのも難しいとか。

「市場規模はまだ20兆円あるとはいえ、これほどのスピードで縮小しているのはパチンコ業界くらいです。今度の規制はそんな斜陽産業に与えるトドメの一撃になりかねない。そうなれば多数の失業者が出て、景気への悪影響も避けられません」(経営コンサルタント)

もはや一業界だけでの問題ではないようだ。

(文◎トシ・タカマサ)