【年間自殺者400人超】ギャンブル大国オーストラリアが抱える闇

賭博法により厳重に取り締まりが行われている日本においても、パチンコ・パチスロから競馬、競輪、競艇に至るまで、いわゆるギャルブルというものは数多く存在する。そしてそれに伴い、こうしたギャンブルに依存し、経済的に大きな困難に直面してしまう、いわゆる「ギャンブル中毒」に陥ってしまう人々の存在も多く報告され、これまでも問題視されてきた。こうしたギャンブルへの依存は世界的な問題の一つではあるが、特にオーストラリアにおいては深刻な懸念をもたらしているという。

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BBCが19日に報道したところによると、同国・クイーンズランド州が今月まとめたデータでは、オーストラリアにおける賭博行為の損失がおおよそ240億豪ドル(日本円にしておよそ2兆円)にものぼると報告されたという。

オーストラリアでは、パブやクラブにポーカーやスロットが設置されているのが一般的。全世界のマシンの20%がオーストラリア内に存在していると言われるほどの「ギャンブル王国」の一面を持っている。現地において、これらスロットマシンは〝ポーキー〟という愛称で知られているというが、そうした状況下で、オーストラリアでは国民1人当たり1年で1300豪ドル(日本円にしておおよそ11万2000円)を消費しており、これはギャンブルの消費において世界1位。同2位のシンガポールの消費量である600豪ドルの2倍弱となっているという。結果、20万人のオーストラリア人がギャンブルによって深刻な問題を抱えており、その倍以上の人数が同じくギャンブルにおいて軽微な問題を抱えていると言われている。

今年の9月、以前ギャンブル依存に陥っていた女性が、スロットマシンのメーカーやカジノチェーンに対して訴訟を起こすなどの問題が起きているのも、その一例である。

これについて、現地の賭博改革連合のスポークスマンであるティム・コステロは「オーストラリアのギャンブルは、アメリカの銃問題に匹敵する。ギャンブル産業は全米ライフル協会がアメリカで行っているように、政界と癒着している。我々はこの部分を改革していきたい」と声明を発表。コステロによれば、こうしたギャンブルにより、全豪で毎年400人が自殺に至っているという。

こうした問題について、ネット上の外国人たちの間では「ギャンブルはその人自身の生活も破壊するが、家族や友人たちも巻き込む」というギャンブル依存の恐ろしさに同調する声や、「中毒は感情からの逃避で、ギャンブルっていうのはそのようにできてるからな」と、ギャンブル自体がこうした中毒者を産む構造になっていることを指摘する声など、概ねギャンブルの恐ろしさについて語る声が多いようだ。

日本においても、パチンコやパチスロの規制を強化する一方で、カジノを解禁する動きがあるなど、デリケートな問題であり続けるギャンブル。オーストラリアのこうした事態が、対岸の火事であり続けることを祈るばかりだ。

(文◎コリス東条)