【AV出演強要】プロダクション社長ら逮捕

今月19日、警視庁は、AV(アダルトビデオ)に出演経験のない女性に対してAV出演を強要して性交させたなどとして、AV制作会社「ビエント」(東京都杉並区)の社長で中野区弥生町5丁目に住む中野斉(ひとし)(51)容疑者と、モデルプロダクション「ディクレア」(東京都渋谷区)の元営業部長で横浜市西区みなとみらい5丁目に住む雪本剛章(たかあき)(35)容疑者、他1名を含む計3人を淫行勧誘の疑いで逮捕したと発表した。

▲株式会社ディクレアのwebサイトより

逮捕容疑は、平成27年6月ごろ、無修正で配信するAVの撮影だということを隠したまま女性を勧誘し、東京都中野区のスタジオへ派遣して出演させたなどとしている。

女性は同年4月からモデルプロダクション「ディクレア」に所属。AV出演について当時は拒否していたが、その後に渋谷区内の飲食店にて、雪本容疑者が「あなたのプロフィール写真を撮影するのに、いくらお金がかかっていると思っているの」などと言い女性を説得。その後、男性相手に撮影を行い、さらに雪本容疑者らは女性に対して後日、「(共演者が)2人も5人も変わらないだろう」などと言い、AV出演のために俳優らと性交させた疑いがある。
その時に撮影された映像は、オランダに拠点を置く映像配信会社「カリビアンコム」を経由し、有料で配信されていたという。被害女性から相談を受けたNPO法人が警視庁に通報し、発覚したとのことである。

淫行勧誘罪とは、「淫行の常識のない女性」を勧誘し、営利目的でみだらな行為をさせた場合に適用される罪であり、警視庁保安課によると、同容疑での摘発は極めて珍しいとそうだ。調べに対して、雪本容疑者を含む2人は容疑を認めており、1人は一部否認をしているという。

この事件について、性犯罪事案に詳しいジャーナリストの竹村明氏は次のように話す。

「昔からあるAVのモデルプロダクションの典型的な手口ですね。グラビアやモデルになれるなどと甘い言葉で誤認させつつ勧誘して、宣材写真を撮った上で、無理矢理AVに出演させる。その段階で本人が嫌がっても、宣材の撮影代や『既に撮影の仕事を取ったのに、今から現場をバラしたら膨大な違約金が発生する』などと脅し、半ば強制的にAVを撮影するというのは、以前からよくある手口です。それと、今回のポイントだったのは、作品が海外配信だっということですね。国内でのAV販売は不振が続いている中、無修正前提の海外配信作品は人気を博しています。そのため、モデルプロダクション側も、女優へのギャラを高めに金額設定できるのです」

モデルプロダクション「ディクレア」といえば、昨年のDMMアワード最優秀女優賞にもノミネートされたAV女優の椎名そらも所属する、業界大手の事務所として知られている。そんな大手プロダクションでも、このような出演強要が横行していたことに、驚きを禁じえない。

AVとはいえ、あくまでもビジネスであるから、利益を追求することは理解できる。しかし、それ以前に、女性の人権をしっかり考える業界になってほしいのだが…。デジタルデータは一度世の中に広まれば、ほぼ永遠に消すことのできないものである。それが、本人が意図しないものであれば、苦しみは永久に続くということを理解して欲しいものである。

(文◎朝比奈ゆう)