【1日156人の被害者】レイプが多発する先進国インドの前途多難

2016年のGDPは世界第7位。アメリカの銀行、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、2028年には日本を抜いて世界第3位に躍り出るだろうと予想されるなど、まさに発展著しいのがインドである。

しかし、この国においては、いまだに女性差別やカースト制の影響による諸問題など、先進国らしからぬ多くの問題が山積みしているのが実情のようだ。

CNNが19日に伝えたところによれば、インド北部のハリヤナ州で、5日間の間にほとんどが未成年者を対象としたレイプ事件が5件も続けて発生し、国内を紛糾させているという。

インド・ハリヤナ州

最初の被害が明らかになったのは、今月12日。ニューデリーから100キロほど離れたジンド地区の運河に15歳の少女の遺体が浮かんでいるのが発見され、警察の捜査により、残された傷跡から輪姦の被害にあったことが判明した。この少女の名前は被害者保護の観点から公表されていないものの、今月9日に州内になるジャンサ村から行方不明になっていた少女だと推測されている。この事件の主要な容疑者となったのは18歳の男子生徒だったが、彼はバラバラ遺体となって発見され、その後の捜査で火曜日に死亡したことが判明したことにより捜査は複雑な状況に陥っているという。

さらに、その後同州の中では、13日に輪姦されたと思われる11歳の少女の遺体がパニパット地区で発見され、次ぐ14日は22歳の女性がバス停か仕事帰りに拉致され、シークリにあるガソリンスタンドで降ろされるまでに輪姦を受けた事件や、ピンジョア地区においては50歳の男が10歳の少女に対して木製の置物で性的虐待を行ったという事件が発生。さらに16日には、ヒサル地区の3歳の少女が15歳の少年にレイプされるなど、立て続けに性犯罪が起こっているのである。

インド・ハリヤナ州の都市部

警察は、13日に起きたパニパット地区の事件について、犠牲者となった少女の隣人に暮らしていた男2人を逮捕。さらに14日の輪姦事件においても、2人を逮捕し、残り2人の行方を追っているという。

こうした事件が連続する背景には、警察による捜査の怠慢を指摘する声が多く上がっている。この指摘に対してハリヤナ州の警察関係者は「こうしたレイプ事件は今いきなり起きたわけではなく、長年にわたって繰り返されてきたもので、もはや社会の一部になっている」とメディアに語っているという。さらに、ハリヤナ州の知事であるマンハール・ラル・ハッタールは、この連続するレイプ事件に対して、「実に不幸なことである」と声明を発表。「こうした状況を打破する」と誓ったとされている。

最近の統計によると、2016年においてハリヤナ州で報告されたレイプ事件は1187件もあったという。単純計算で言えば、一日平均3人以上がレイプされているという信じがたい状態が、しかもインドのたった一つの州だけで起こっているということである。

13億人の人口を誇るインドにあって、人口2500万人(2011年)のハリヤナ州だけで1日に3人ということは、単純には言い切れないものの、国土全体で1日156人ものレイプ被害者が生み出されている計算になる。

IT技術などの目覚ましい発展により、経済大国となりつつあるインドではあるが、こうした状況は、社会の発展によって解消されるのか、それとも経済大国の闇として残り続けるのか。いずれにせよ、インドが国際社会の厳しい目にさらされ続けることは確かなようだ。

(文◎コリス東条)