【TBSを騙した探偵事務所】男女3人が書類送検

今月19日、福岡県警八幡西署は、ストーカー被害に関するウソの情報をテレビ局に提供し業務を妨害したとして、同県北九州市内の探偵事務所代表の男を含む男女計3人を、偽計業務妨害の疑いで書類送検した。

捜査関係者によると、3人は昨年10月11日に放送されたTBSドキュメントバラエティー番組『犯人に告ぐ!盗聴盗撮 怒りの追跡バスターズ第3弾』で、1年間で300通もの脅迫状が送られてきたストーカー被害に悩む既婚者女性が、この探偵事務所に相談を持ちかけたことから始まる。この依頼に基づき、相談を受けた探偵事務所代表の男と番組スタッフがストーカーの犯人を追いつめるという内容で、犯人を突き詰めたところ、その男が被害女性の夫の友人だと判明するのだった。

しかし、実際にはこれらの〝シナリオ〟は探偵事務所代表が書いたもので、犯人役は代表の実弟、被害女性役はその妻だったことが分かったのだ。つまり、TBSは探偵らに騙されていた、というのがVTRのオチになっていたのである。

この予想もつかない結末のVTRに対し、ネット上では、「このヤラセ番組マジふざけんな!」「テレビで流す必要ある? 本当に騙されたのなら局内で解決すればいいのに。時間を返せ」「今やっているTBSの追跡番組、ビルの部屋番号調べたら探偵社名違うし、サイト入れないし、TBS自体が噓のストーリー事件を作り上げていると捉えられる」「被害女性宅とタレ込んだ探偵の住所が同じなんて、追跡する前から分かるんじゃないの?」など、探偵に対してというよりも、TBSに対して放送したことを疑問視する声のほか、番組自体がヤラセなのではとの疑問の声が多数上がっている。

この件について、メディア問題に詳しいジャーナリストは、取材を受ける側が、出演料目当てやテレビで取り上げられることでの宣伝効果を求め、虚偽やねつ造を行うケースは少なくないという。

「十数年前までなら、テレビ局のスタッフが虚偽やねつ造と気づいていても、面白さを優先し見て見ぬふり、あるいは協力して、そのまま放送することも少なくなかったです。しかし、2003年にBPO(放送倫理・番組向上機構)ができたこと、インターネットの普及に伴い、視聴者の目が厳しくなったことなどもあり、この手法はほぼなくなったといえるでしょう。
しかしながら、探偵や盗聴発見業者を密着する番組は依然として人気である一方で、この手の番組で扱う事件は調査を自ら行う探偵などか持ち込まれるケースが大半です。それ故に、テレビ局側が相当疑ってかからないと同様の事件を防ぐことはできないでしょう。その為、テレビ局側は、番組の企画・リサーチ段階で、取材対象となる探偵や調査会社について徹底的に調べます。コンプライアンスの厳しい昨今ですので、より厳しくリサーチをかけています。少しでも怪しい点があれば取材はしないという判断が基本です。しかし、今回に至っては、騙されたどころか、それを放送しているという点について、疑問を抱かざるを得ません」

また、番組放送と同時にネット上では、テレビ局を騙した探偵および探偵事務所の特定がリアルタイムで行われていた。それらの情報によると、番組で「アガザ-レ探偵事務所」として紹介されていたのは、「探偵社アドバンス」ではないかとのことだ。

何が真実なのか、真相は闇の中であるが、昨今のリサーチ力に秀でているネット民らを甘く見ない方が良さそうである。

(文◎朝比奈ゆう)