スウェーデンのユダヤ会堂襲撃事件はISISテロへの反発か?

先月24日、エジプト東部シナイ半島のモスク(イスラム教の礼拝堂)が襲撃され、300人以上が死亡したテロ事件が発生したのは記憶に新しい。こうした宗教施設を狙うテロは各地で頻発しているが、遠く離れた北欧においても、これら危機とは無関係でいられないようだ。

Newsweekが10日に伝えたところによると、スウェーデンのヨーテボリにあるユダヤ教の会堂、シナゴーグに燃焼物が投げ込まれるテロ事件が発生。事件が起きたのは9日の夜で、当時、シナゴーグでは子供向けのイベントが行われていたというが、奇跡的にも負傷者はなかったという。隣接するユダヤ人文化センターも襲撃されたと報じられている中、警察らは夜10時ごろに到着し、イベントに参加していた子供たちなど30人を地下に避難させたという。

地元紙の取材に対し、イベントに参加していた子供の母親は、「子供たちは彼らの指示で地下へと避難させました。娘はガソリンの臭いがすると言っており、それは非常に不安です。今後もこうした事件が起こるのではないかと心配しています」と語った。

ヨーテボリ警察のスポークスマンであるピーター・ノルデガールは、この騒動で、3人を放火未遂の容疑で逮捕したと発表した。目撃者がTTニュース・エージェンシーに対して語ったところによれば、シナゴーグの周りの庭から、10人以上の仮面をかぶった若者らしき人間たちが、燃焼物を投げ込んでいたとされる。この事件を受けて警察は、犯行現場となったシナゴーグ、及び首都のストックホルムにあるユダヤ人センターの警備を強化しているという。

襲撃される前のシナゴーグ

これに対し、ネット上の外国人たちの間からは「反シオニズム主義の犯行なのか」「これは右翼のレイシストか、あるいはイスラム教信者の犯行だろう」という犯人の素性を気にかける声が続出している。やはり、ユダヤ教の施設が襲われたというこの事件が、何らかの宗教、あるいは政治思想の対立によって起きたものではではないかと疑う人が多いようだ。

スウェーデンにおいては、極右政党であるスウェーデン民主党が議席数を増やしつつあるなど、右傾化の流れが見て取れる状況となっている。この裏には、ISIS(イスラム国)との紛争の影響で、ヨーロッパ諸国に難民が多く流入しているということに対する国民の反感が背景にあると言われているが、今回のテロ事件も、そうした事情から派生したものなのか? 現在、規模を大きく減らしたと言われているISISだが、テロや上記の難民問題など、彼らが世界中に拡散した争いの火種は、いまだにくすぶり続けていると言えるのかもしれない。

(文◎コリス東条)