【末端価格250億円】バナナ輸送船に隠されたコカイン6トンを摘発

日本でも覚せい剤や大麻などが摘発され、たびたび話題に上る薬物密輸の問題。今年5月29日の日経新聞の記事によれば、2016年に日本の税関で行われた覚せい剤の摘発は104件で、1500キロ超の覚せい剤が押収されたとされている。そんな中で近年、特に多くなっているとされるのが船舶による密輸である。

密輸というと、小規模なものにおいては一般人の手により飛行機に搭乗する際の手荷物などに混入して行われる手口も横行しているが、大規模なものとなるとそうはいかない。一度に大量の覚せい剤を持ち込もうとすると、やはり船舶などに積み込むケースが多く見られるという。

そんな船舶での薬物密輸で、世界屈指の規模の摘発がスペインで行われたという。

BBCが6日に報じたところによれば、スペイン南部のアンダルシア州アルへシラスの港において、バナナを運輸していた船の中からコカインが発見され、押収されたという。

その量はなんと、およそ6トンというから、税関職員も驚きのあまり言葉を失ったに違いない。これは末端価格にすると、およそ1億8500万ユーロ(約250億円)相当になるという。

この6トンもの覚せい剤が積み込まれた船は、コロンビア第二の都市メデジンから、スペインのバルセロナに向かう予定となっていた。現地の警察は、なぜこの船の貨物について疑惑を抱いたのかを明らかにはしていないが、捜査の際にコンテナを3つ開けた際、バナナの中に隠されていたコカインを発見したとしている。

また、この摘発に関連して、事件の首謀者とされているスペイン人、およびホンジュラス人、ポルトガル人の3人が逮捕され、さらに2人が取り調べを受けているとも警察は発表している。これは過去20年間におけるヨーロッパの薬物摘発の中でも最大規模のものの一つで、さらにスペイン国内に限ると歴史上2番目に規模の大きいコカインの摘発であるという。これを上回る摘発といえば、1999年にロシア人とベラルーシ人の乗ったトレーラーの中から7.6トンものコカインが見つかった事例があるだけだという。

「コロンビアでは、いまだ数多くのマフィアが暗躍し、コカインなどの薬物売買は彼らの資金源となっています。同国では他国の数十分の一の価格で手に入れられるため〝コカインの聖地〟として知られており、昨年の8月には、コロンビア国内で104カ所のコカイン工場が一斉摘発されるなど、政府はこうした状況の打破を試みているようですが、今回のような大規模な摘発劇が起こっている現状を考えると、根絶にはまだまだほど遠いようですね」(犯罪ジャーナリスト)

犯罪組織「メデジン・カルテル」を率いて世界中にコカインを密売し〝麻薬王〟と呼ばれたパブロ・エスコバルが警察に銃殺されたのは1993年の12月2日。それから四半世紀近くが経過した今も、コロンビアはいまだに麻薬の原産地としての顔を捨てられてはいないようだ。

(文◎コリス東条)