「女児レイプ厳罰化」がなぜか歓迎されないインド社会の闇

幼い子供を性的に搾取する――。

卑劣極まりない犯罪であり、世界においても性犯罪者への厳罰化の傾向が見て取れるが、最近インドで制定された法律が注目を集めている。

インターナショナル・ビジネス・タイムズが4日に報じたところによると、インドの中央部にあるマディア・プラデーシュ州の議会で、強姦罪の厳罰化を決定する法案が可決された。その内容とは…、

・12歳以下の女児を強姦した場合、最低14年の懲役、最高で死刑に処す

・12歳以下の女児を輪姦した場合、最低20年の懲役に処す

というものである。他にも女児に対する「セクハラ」、「性的搾取」や「虐待」、「結婚」について、重い罰が科されるようになっており、これは世界的に見てもかなりの厳しい刑罰であるという。

この法案は今後、中央政府と大統領に提出され、承認される予定となっている。この法律が承認された場合、インド人民党が掲げる法律の一つとなる可能性があり、現在大統領の出身党であり、与党がインド人民党であることから、これがインド全体の法律になるという見通しもあるようだ。

この厳罰化が提案された背景について、インドの国家犯罪記録局によると、マディア・プラデーシュ州における性犯罪が、インドで最多になったという報告があったことが影響していると見られている。また、今年の10月31日には同州ボパールという地域の雑踏で、警察官の19歳の娘が輪姦されるという事件が起こったことも、この法案が議論されるに至ったきっかけの一つになっているようだ。この法案が通った際、シヴラジ・シン・チュハン州知事は、「12歳の女児をレイプするような者は、人間ではなく、悪魔だ。生きる権利はない」と発言したという。

こうしたインドの流れについて、ネット上の外国人たちの間では「レイプに対抗するためのいいステップに見える」という肯定的な意見も見られるが、一方で、「これにより厳罰を避けるためにレイプだけで済んだところが殺人事件に発展することが増えるのではないか」「そもそも死刑が犯罪の抑止力にはならない」「インドでこの法律が正しく運用されるのか疑問だ」という否定的な意見や、「男女問わず児童を守る法律にすべきだ」という性差別を指摘する声など、様々な意見が出て議論されている状況のようだ。

ヒンドゥー教におけるカースト制の影響や、それに基づく女性差別により、こうした強姦などの犯罪が多いことで知られているインド。果たして、この法案はそこに一石を投じるものとなるのか。今後も見守っていきたい。

(文◎コリス東条)