【エジプト女性差別問題】人権はないと言われた女性のあの服装

「ポリティカル・コレクトネス(差別や偏見を含まない、政治的に正しい言葉遣い)」という概念が浸透し、男女差別や人種差別は世界的なタブーになりつつある。しかし、いくつかの国にとっては、こうした話題はまだまだ日常に溢れているようだ。

BBCが2日に報じたところによると、エジプトにて今年の10月19日に行われたテレビショーに出演した弁護士が、「ダメージジーンズを履く女性はレイプされるべきだ」と発言。これを受けて3年間の服役に処することになり、世界的な注目を集めている。

この弁護士は、番組の中で議題となった売春法について、「街ゆく女の子が、尻を半分出したような状態で闊歩しているのを見て幸せですか?」と発言。続いて、「そうした格好をして歩いている彼女たちに対し、セクハラをするのは愛国者としての義務であり、レイプするのが国家的な義務だ」と言い放ったのである。

こうした女性にセクハラするのは義務?

また、別のテレビショーにおいて、保守派の論客として知られているナヴィ・アル・ワシュも、女性の露出が多い服装は「男が彼女たちをセクハラしてしまうように誘う」とし、「国境を守ることよりも、こうした道徳的な部分を守ることがより重要だ」と持論を展開。前述の弁護士の意見に同調したのだった。

これらの発言に対し、エジプトの社会は敏感に反応。現地の女性権利評議会は「エジプトの憲法の全ての条項に違反し、目に余るほどに甚だしいレイプを喚起する呼びかけを行った」と声明を発表し、彼ら二人を批判。検察も彼らを告発し、弁護士に対しては懲役3年、ワシュ氏に対しては2万エジプトポンドの罰金を科すこととなった。さらに議会も、問題となった放送に対して、メディア規制委員会へ放映内容に対する苦情を発表するなど、まさに同国では〝炎上〟とも言える状況が続いているという。

この問題に対して、ネット上の外国人たちは、「あまりにも衝撃的なクソで、とんでもない極悪人だ」「彼らの発言を許したテレビ番組も罰されるべきだ」という批判の声が圧倒的に多い。さらに、「これは、ほとんどすべてのアフリカや中東の国が同じような問題を抱えている」という、こうした差別がいまだに根深くひそむ国が現在していることを指摘するような意見も散見される。

いずれにせよ、彼らは弁護士などといった、社会的な発言力の強い人間である。そんな彼らがテレビ番組という公の場において、こうした発言を行ったことへの衝撃や、それに対する怒りを感じる人が多かったようだ。

地球上の多くの地域で、男尊女卑の文化があったという歴史は紛れもない事実である。だが、少なくとも、こうした前時代的な価値観を公の場で発すると、世界中に拡散され、大批判を受けることは避けられない状況にあるのが、現代社会であるということもまた、事実であることは疑いようがない。

(文◎コリス東条)