【犯罪撲滅の秘策】囚人の更生に幻覚剤「アヤワスカ」が効く?

昨年、「犯罪者の再犯率が48%と過去最高になった」と法務省が発表し、話題となったことがあった。それを受け、日本を含む先進国において重要なトピックとなっているのが、「犯罪者の再犯率を下げる方法論」である。

そんな中、注目されているのが、ブラジルが取り入れているという刑務所における受刑者の社会復帰プログラムの一つである。

ブラジルの刑務所

26日にアメリカのニュースサイト「ALTERNET」が報じたところによると、ブラジルの刑務所においては現在、社会復帰を促進するプログラムとして、ヨガ、レイキヒーリング、瞑想といったものが提供されているという。しかし、それだけではない。なんと現地で、古来よりシャーマンなどが用いてきた幻覚剤「アヤワスカ」を受刑者に摂取させる儀式を通し、受刑者の心や身体のケアをしているという。

アヤワスカとは、アマゾン川流域に自生する、バニステリオプシス・カーピなどを原料とし、植物アルカロイドを主な成分とする幻覚剤である。近年では、アヤワスカツアーなどが行われ、これにより地元の観光産業が賑わうなど、世界的な注目を集めている。

生成されるアヤワスカ

それと同時進行する形で、現在はアヤワスカの医療的な効果の研究が行われており、これまでにPTSDや薬物依存症、うつ病などに効果があるだけでなく、癌や他の苦痛からの回復を助けるという可能性が示唆されている。事実、このアヤワスカのセミナーを受けた殺人犯の収容者は「自分が人生において間違ったことをしたのを実感している。これらの経験は、私が被害者に許しを請おうと思うようになる助けとなっている」とニューヨーク・タイムスに語るなど、一定の効果を上げているようだ。

これらアヤワスカを用いた更生プログラムが始められるきっかけとなったのは、ブラジル西部の都市ポルト・ヴェーリョに本部を置く、囚人の権利を保護する人権団体「アクーダ」の働きかけによるものだと言われている。彼らは、毎月15人の囚人を連れて寺院へと赴き、アヤワスカの儀式に参加させていたのだそうだ。

このニュースを見た外国人たちの反応はと言うと、「この幻覚剤が理由となって彼らが罪を犯したら、実に皮肉だ」「昔、LSDでも同じようなことが起きた」という否定的な意見のほかに、「幻覚剤には心理的な依存しかないしいいかもしれない」「うまくいくといい、精神的なケアは今世紀の課題の一つだ」と効果に期待する意見など、様々な反応が集まっている。

果たして、この前代未聞の試みは成功を収めることになるのか。一層の注目が集まっている。

(文◎コリス東条)