【約580億円流出】コインチェックNEM(ネム)が不正流出

今月26日、仮想通貨取引所大手のコインチェック株式会社(東京・渋谷区)で、利用者から預かっている580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正アクセスにより流出したことが発覚。大騒ぎとなっている。
2014年に日本のビットコイン取引所だった「マウントゴックス」が約470億円分を消失させて以来、過去最大規模の仮想通貨流出となっている。

コインチェック社は、ビットフライヤー社などと並ぶ国内大手取引所の一つである。口座数などは非公表であるが、取り扱う通貨の多さを売りとしており、預り資金は数千億円規模とも言われている。

コインチェックの代表取締役社長・和田晃一良氏と、取締役・大塚雄介氏は、同日に東京都内で異例の深夜記者会見を開き、以下のように説明した。

「本日1月26日午前3時ごろ、コインチェックのNEMのアドレスから、5億2300万のNEMが送信されました。検知した時点でのレートで換算しますと、約580億円に相当いたします。

同日弊社にて、11時25分、NEMの残高が異常に減っていることを検知。同日11時58分、NEMの入出送金を一時停止しました。同日12時52分、NEMの売買自体を停止。16時33分、日本円を含む全通貨出金・送信を一時停止しております。

17時23分、ビットコイン以外すべての通貨の売買を、出金・送信停止しております。本事象に関しましては、金融庁ならびに警視庁へ報告済みになっております。

また、NEM財団およびNEMの取り扱いを行っている国内外の取引所と連携を行い、送信されたNEMの追跡および売買停止要請を実施済みでございます」(大塚氏)

28日には、流出したNEMの保有者約26万人に対して〝日本円〟で463億円を返金する方針であると発表。補償の時期や手続きについては「現在検討中」としている。

ちなみに、記者団から、返金のための十分な現預金があるのかと問われ、「さようでございます。(現預金などで)返金して事業を継続できると思っている」と大塚氏は返答。某有名芸人をCMに起用していることなどから見ても、相当儲かっていると見て間違いなさそうだ。

また、今回の流出は、金融庁への仮想通貨交換業者の登録申請中に起きているが、コインチェックは今後も登録申請を続けていき、サービスの再開に尽力するとしている。

これらの不正流出についてネット上では、「返金ね、よかったよかった」と安堵する声がある一方、「全額自己資金で返金って言ってるけど、時期も未定だし、本当に戻ってくるのか」など不安がる声のほかに、「切り詰めて貯めた2000万円がなくなってしまいました」など利用者と見られる人たちの悲痛な声があがっている。中には、「流失したNEMをJPY88で返還するというスキーム、空売りで儲けた上に損金計上して顧客に税金押し付けたのと同じですね」「NEMはNEMで返還しなきゃ意味がない。ほぼ最底辺の値段で強制利益確定されたら損をする」などシビアな意見も存在する。

今月28日、金融庁は、コインチェックに対して、近く改正資金決済方に基づく業務改善命令を出す方向で検討に入った。

昨今、仮想通貨が異常な広がりを見せている中、世界中で不正な資金流出が相次いで起きている。先に述べた「マウントゴックス」の他、2015年にはスロベニアでビットスタンプ約5億円が、2016年にはドイツでザ・ダオ約65億円が、同年には香港でビットフィネックス約65億円が、2017年にはイギリスでパリティーウォレット約30億円と、スロベニアでナイスハッシュ約70億円が不正流出している。世界中の事例を見ても日本の流出額は桁違いであることがわかる。

コインチェックは今後どのような対応をしていくのか。また、世界中で相次ぐ仮想問題の不正流出について、日本はどう対応していくのだろうか。注目が集まっている。

(文◎朝比奈ゆう)