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小麦粉やパンに含まれるグリホサートの安全性を知ろう

小麦粉やパンに含まれるグリホサートってどんな成分?

無農薬食品が話題となる社会ではありますが、普段の生活の中で無農薬食品のみを口にすることは時間や経済的な余裕がなければ、難しいですよね。その中で、自分や家族の口に入る食品がどうやって作られたのかを知りたくなるのは当然だと思います。グリホサートもその一部。特に小麦粉やそれから生産されるパンは生産量が多いこともあり、グリホサートの含有量が注目されています。

グリホサートは主に除草剤に使用される成分で、日本での使用はもちろん認められています。グリホサートが成分となる除草剤は店頭で売られていて、誰でも手にすることができる身近なものです。

このグリホサートは農作物生産の過程でも使用されることがあり、その結果微量のグリホサートが農作物から検出されることがあります。これを巡り、グリホサートを排除しようとする動きや情報が存在しますが、ここで気を付けたいのは、「農薬」という言葉に対し知識のないまま「悪いもの」にしてしまうことです。

これを避けるために必要な知識の焦点を以下の3つに当ててみました。

  • グリホサート残留基準値は日本政府機関がしっかり管理している。
  • グリホサート摂取の許容量は、一般的な食生活をしている限りオーバーすることはない。
  • グリホサートと発がん性または自閉症の因果関係は証明されていない。

日本の農薬残留基準値は厳しく管理されている

グリホサートを含む農薬残留基準値は、しっかり管理されている

日本の農産物が信頼される理由、、、その一つに厳しい「ポジティブリスト制度」が挙げられます。この制度は食品衛生法で全ての農作物と畜産物には個別に「農薬残留基準値」を設定しなければならないとする決まりで、この基準をクリアした農産物のみが私たち消費者の手に渡ることになっています。

ポジティブリストの実施手順を定めているのは、「食品安全委員会」です。食品安全委員会は、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関です。

現在(2022年11月時点)、日本のグリホサートの残留基準値は、「30ppm」とされています。農薬残留基準値は、食品安全委員会の最新の調査により、適宜更新されます。

政府機関のもとで調査された農薬残留基準値に基づき出荷された食品を無意味に恐れる必要は全くないということです。

パンに含まれるグリホサートの量はごく微量

グリホサートの一日摂取許容量(ADI)とは

食品安全委員会による厳しい基準をクリアした農産物が私たちの元に届いていることが分かりましたが、実際にグリホサートの摂取許容量はどのくらいなのでしょうか。

結論から言うと、摂取許容量を超えるグリホサートの摂取は一般的な食生活をしている限り、不可能です。

世界各国では小麦粉の原料である小麦の生産過程でグリホサートが使用されていますが、その小麦粉を使用して作られたパンにごく微量のグリホサートが検出されることがあります。

そのグリホサートの値はパン1kg当たり、0.05mgから0.18mgであるとされています。

グリホサート摂取許容量は、この最大検出量0.18mg/kgのパンを体重50kgの人が毎日278kg食べ続けても問題がないとする計算です。

この一日摂取許容量は、「ADI」(Acceptable Daily Intake)と呼ばれています。一日摂取許容量(ADI)は「人が毎日一生食べ続けても、健康に悪影響が出ないと考えられる量」のことです。値は、農薬残留基準値と同様、食品安全委員会やその他の国際的機関が無害であると認めた量です。

これで、パンを食べることでグリホサート摂取の心配をする必要は全くないことが分かります。

グリホサートと発がん性や自閉症に因果関係なし

グリホサートと発がん性や自閉症の因果関係は証明されていない

食品安全委員会が定めた農薬残留基準値をクリアしている農産物が店頭に並んでいること。一日摂取許容量を超えるグリホサートを摂取することは難しいこと。これらの事実があるにも関わらず、グリホサートと発がん性や自閉症が因果関係にあるとする風評被害が存在します。

米国環境保護庁(EPA)、欧州食品安全機関(EFSA)、食品安全委員会等、関係各国の規制当局は、今までに提出されたグリホサートの安全性試験データ及び関連文献を再度見直しました。様々な遺伝毒性試験やラット・マウスを用いた長期発がん性試験を行った結果は共に陰性。発がん性は認められませんでした。そのことから、現時点では「グリホサートには発がん性や遺伝毒性は認められず、ラベル表示された適用方法で使用する限りは安全である」という見解で一致しています。

グリホサートと自閉症の因果関係に関しては、以下の二つの点で、グリホサートが風評被害に遭っていると言えます。

  • グリホサートとは異なる除草剤成分、ネオニコチノイドと自閉症との因果関係の論説が、同じ除草剤成分という理由でグリホサートまで焦点となってしまっている。
  •  そもそも、ネオニコチノイドと自閉症の因果関係は証明されていない。

除草剤に使われる成分であるネオニコチノイドが、自閉症や発達障害の原因となると論説があります。異なる成分の論説が、グリホサートの論説として引用されていることがまず理解できませんが、この論文が発表された4年後に発表された総説では、「ネオニコチノイドに発達神経毒性作用や神経発達への作用は認められない」と結論づけられています。つまり、ネオニコチノイドもグリホサートも自閉症との因果関係が認められていません。

食生活を安心安全へと導くためのグリホサートとの付き合い方

グリホサートに関して、化学農薬だからという理由だけで、しっかりとした手順が踏まれず、証拠のないままの論文や情報が信じられてしまう事実があります。グリホサートの安全性や有効性が否定されてしまうことが、私たちの安心できる食を無意味に遠ざけてしまっているように思います。上記の情報のように具体的な数値を知り、グリホサートに関して理論的に考えて付き合っていくことがより安全安心な毎日の食生活を得るための手助けとなるのではないでしょうか。

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