開幕が間近に迫った東京オリンピックにおいて、日本は史上最多30個の金メダル獲得を目標に掲げている。2000年シドニーオリンピック以降、開催国のメダル獲得数が前回のオリンピックを下回ったことはなく、開催国の優位性についてはよく認識されている。
開催国として日本のメダルへの野心は当然高まっていたが、東京オリンピックでの日本の優位性は、コロナ禍の状況により不本意にも不公平に高まることが懸念される。コロナ対策における海外選手と日本人選手間の事前の準備・調整における状況の格差がその大きな要因として挙げられる。
先月、インドのオリンピック委員会は、インドの選手に対する差別的なコロナ対策の改善を求める書簡を大会組織委員会宛に送った。書簡では、選手たちにとって状態をピークに持っていかなければならないときにトレーニングをする時間がなくなる点や、競技直前に必要な食事ができなくなり、選手たちのパフォーマンスに影響を及ぼす恐れがある点が指摘された。
海外選手には、新型コロナウイルス感染防止のための厳格な対策と隔離期間が強いられ、なかには日本で合宿ができない国もある。開幕直前に入国し、選手村に入る海外選手達は、短時間で日本の環境に慣れて、限られた時間枠で直前の調整に入らなければならない。他方、日本人選手は直前まで平常通りのトレーニングや準備に集中できる。この状況は日本人選手と海外選手を比較した際に、公平性についての疑問につながる。
コロナウイルス感染拡大前の2018年の時点では、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、金メダル30個をJOCの使命とし、「30個を獲得すれば、世界3位は達成可能」と意気込んでいた。しかし先月の記者会見において山下会長は、「(目標)達成が重要かと言われれば『ノー』と明言したい」と述べた。
また、東京五輪日本選手団の結団式と壮行会の開催後の記者会見において、日本選手団の福井団長は、国際大会の減少などで「(選手は)世界のどの位置にいるのか判断できない。30個という数字は残っているが、それより今持っている力を全部出すと大きな目標に変わった」と語った。
ブックメーカー日本は既にいくつかの競技や選手のオッズを公表しているが、東京五輪が始まり次第、オッズを調整するだろう。日本の過去の金メダル獲得数トップ競技は、体操、そして柔道、水泳が続く。前回のリオデジャネイロオリンピックでの日本の獲得金メダル数は12個であったが、今大会の目標はその2倍を上回り、目標設定当初は厳しいとの見方もあったが、日本の史上最多金メダル獲得達成も現実感を帯びてきた。
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