シドニー/ロンドン(ロイター) – 市場がジェローム・パウエル連邦準備理事会(FRB)議長の指導を待つ中、中国政府による新たな刺激策の欠如、英国の弱気なインフレ統計、欧州不動産のさらなる下落などのネガティブなニュースを受けて、水曜日の株価は下落した。
世界で最も強力な中央銀行は証言から数日以内に議員らと面会することになるが、金利が本当に7月に再び上昇し、予想通り5.5~5.75%の範囲でピークに達するかどうかについて疑問が投げかけられるのは確実だ。
市場は疑問を抱いており、来月には5.25~5.5%に上昇する可能性が78%あると現時点で指摘しており、これが引き締めサイクル全体の終わりとなる可能性が高いとしている。
「焦点は、7月の会合が本当に『単純明快』だったのか、そしてFRBのあと2回の利上げ計画がデータ次第では本当の基本ケースなのか、それとも財政問題の時期尚早な緩和を確実にするためのインフレ誘導なのかにある」 」とNAB市場の最高経済責任者、タパス・ストリックランド氏は述べた。
不確実性により、欧州のベンチマークSTOXX(.STOXX)が0.2%下落し、MSCIの日本以外のアジア太平洋株の最も幅広い指数(MIAPJ0000PUS)が1%下落したことを受けて、S&P500種とナスダック先物は0.1%下落した。
パウエル議長の重要な議会証言を前に米ドルは堅調となり、ドル指数は0.1%上昇し102.62となった。
英国: 国のインフレ
他の通貨では、リスク回避が非常に混雑したショートポジションでの利益確定につながったため、ボロボロの日本円がいくらか安堵した。 日本銀行が超金融緩和政策を断固として擁護したため、通貨は数週間にわたって下落していた。
最近の中銀会合の議事録によると、理事会メンバーの9人中1人だけが利回りを低く抑える政策の再検討を示唆し、それでもしばらく待った方がよいとの考えを示した。
この緊急性の欠如により、円の反発は限定され、ドルは火曜日の7カ月ぶり高値である142.26円に近い141.80円に維持されるだろう。
同様にユーロも最近の高値155.37円からそれほど遠くない154.78円で落ち着いた。
単一通貨はドルに対して1.0916ドルで落ち着いたが、予想を上回るインフレ統計を受けて中銀の利上げ観測が高まったことで英ポンドは若干安定した。
インフレ率が鈍化して5月には8.7%に落ち着くとの予想に反してインフレ率が上昇したことがデータで示されたことを受け、投資家はイングランド銀行が0.5%ポイントの大幅利上げに踏み切るとの見方を強めている。
これを受け、金利先物は基準金利から50ベーシスポイント(bp)利上げの確率を約45%とし、火曜日時点の確率25%から上昇させた。
最新の統計では英国のインフレ率が主要先進国の中で再び最高水準となり、国内に特化したFTSE250指数(.FTMC)は0.9%下落し11週間ぶりの安値となった。
住宅建設業者(FTNMX402020.)の株価は、金利引き上げの見通しから住宅ローンコストに対する新たな懸念が生じ、一時3%下落した。
金利上昇と債券利回りの上昇が金の重しとなり、先週付けた3カ月ぶり安値の1924.99ドルをわずかに上回る1オンス=1934ドルで止まっている。
原油価格は、大規模な景気刺激策がない中、中国の需要への懸念から依然苦戦しながらも、2回のセッションで負けを喫した後、上昇した。
ブレント原油は32セント上昇して1バレルあたり76.22ドル、米国産原油は35セント上昇して71.54ドルとなった。
(ウェイン・コールとローレンス・ホワイトによる報告) ジャクリーン・ウォン、リンカーン・ファイスト、アレックス・リチャードソンによる編集
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