グリッパとは、物体を把持するためのEOAT(アームエンドツーリング)デバイスです。グリッパは、ロボットの機能を左右する重要な部品であり、部品を確実に掴み、配置しなければならないマテリアルハンドリングやピック&プレースの作業では特に重要です。
適切なグリッパが搭載されていなければ、ロボットはこれらの作業を行うことができません。特に大量生産ラインでは、要求される効率の実現のために、把持性能が正確で安定していなければなりません。自動化された機械の普及に伴い、グリッパの技術も進歩しています。
多くのグリッパには、カスタムメイドのデザインツールの取り付けとロボットアームへの適切な取り付けのために精密に設計された取り付け部がついています。グリッパは通常、真空、空気圧、または電気で駆動します。
代表的なグリッパの種類を理解することで、用途に応じて最適なロボット グリッパーを選択することができます。今回は、グリッパの種類と、さまざまな産業での活用例をご紹介します。
ロボットグリッパの種類
油圧グリッパ
油圧グリッパの原理は空気圧グリッパと似ています。しかし、油圧グリッパの場合、加圧されるのは空気ではなく流体です。ピストンが発生したエネルギーをグリッパに伝え、部品の近くでグリッパを開閉させます。
油圧グリッパにも空気圧グリッパにも、内部に加圧されたラインが必要です。しかし、電動グリッパとは異なり、加圧するエンジンは分離されています。そのため、1台の加圧ユニットで複数の機械に圧力を供給することができます。
空気圧グリッパ
空気圧グリッパは、空圧システムから供給される圧力に依存します。そのエネルギーを利用してグリッパを開閉します。圧力が高すぎるとグリッパの部品が破損したり、圧力が十分でないと把持した物体が落下したりします。
平行グリッパの中には空圧技術を用いたものがあり、その名称は、適用される圧力に関わらず常に把持面が完全に同等であることに由来しています。その代わり、ピストンには正確な圧力がかかり、それによってグリッパは物体を掴んだり落としたりします。
電動グリッパ
電動グリッパは、コンピュータからの入力に反応する電気モーターを備えています。制御インターフェースは、実行されるタスクや部品の仕様に応じて、グリッパに指示を与えるために使用されます。
電動グリッパの主な利点は、すっきりとした現代的な設計です。空気圧式や油圧式のように余計な配線が必要ありません。必要な構成部品はすべてグリッパに内蔵されています。
マグネットグリッパ
グリッパを多関節ロボットアームに固定するために磁石が利用されることがあります。さらに、空気圧で作動する磁石や電磁石を搭載することで、部品を短時間で掴み、操作することもあります。
細い金属部品を扱う際には、マグネットグリッパを使用します。特に、部品に穴が開いている場合は、マグネットグリッパがしっかりとロックします。
真空グリッパ
真空グリッパは、吸引力を利用して部品を把持します。十分な吸引力と構造的な強度があれば、部品をロックして、グリッパで操作することができます。
産業用真空グリッパは、小さくてもろいチョコレートや、巨大で弾力性のない材料の束など、さまざまな部品を扱うことができるように設定することができます。
ロボットグリッパの活用事例
組立ラインでの作業
組立ラインでの作業には、ロボットグリッパが便利です。組立ラインでの作業のほとんどは、生産ラインの1つの持ち場で行われます。そのため、設置するグリッパは、様々な部品を把持できる汎用性の高いものでなければならなりません。
大量生産ラインでは切り替えの時間がないため、柔軟性の高いロボットグリッパを使用する必要があります。また、ロボットグリッパはストロークをプログラミングすることができるため、機械のサイクルタイムを大幅に短縮することができます。
ストロークを設定することで、部品をつかむ際にグリッパはフルストロークで駆動しなくて済みます。さらに、グリッパの幅を部品よりも少し広く設定することで、グリッパの動きを抑え、機械のサイクルタイムを短縮することができます。
機械加工
グリッパによっては様々な形状の部品を把持できるため、ロボットグリッパは機械加工で利用できます。大抵の場合、部品の形状は機械加工の前後で変わります。
そのため、加工前の部品と完成した部品の両方を取り扱うことができるグリッパが必要です。そうでないと、機器の交換に手間取ることになり、時間がかかり面倒です。
機械加工では、大量の液体を使用する場合があります。これはグリッパの機能に影響を与える可能性があるため、使用する環境に合ったデバイスを選択する必要があります。複数の液体を使用する場合、将来的に問題が発生しないように、グリッパのIP等級が条件に適合していることを確認してください。
クリーンルームでの作業
研究所や試験センターでは清浄な空気が必要な場合があります。このような環境に最適なグリッパは、電動グリッパです。電動グリッパの大半はクリーンルームの規格に適合しており、これらの部屋への設置を前提としているからです。
一方、空気圧グリッパは、加圧された空気が漏れて空気を汚染するため、このような環境では使用できません。
研究所の自動化
ロボットグリッパは、大規模な研究センターや研究所で、試験管やトレイなどの壊れやすいものを把持するのに使用できます。この場合、グリッパには制御インターフェースが必要なため、電動グリッパが最適でしょう。
グリッパの制御インターフェースで把持力の設定は変更可能です。把持する対象物に応じて、強くしたり、弱くしたりと調整することができます。
空気圧グリッパを使用する場合は、空気圧を調整して力を制御する必要があります。しかし、作業中の圧力が安定していないと、把持力が必要よりも大きくなったり小さくなったりして、問題が起きる可能性があります。
まとめ
生産ラインの自動化に伴い、ロボットグリッパの導入が進んでいます。最近のロボットグリッパの進歩により、生産ラインやオペレーション全体のスピードと精度をさらに向上できる可能性があります。
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