農林水産省は、国家非常事態時に農民に食料の生産を増やすよう命令する法的権限を与えることを検討している。
日本の食料自給率は先進国の中で最低の一つであり、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンへの影響で、日本が国民を養うことができるのかという懸念が高まっている。
関係者によると、農水省は食料・農業・農村基本法改正案を来年の通常国会に提出することを検討している。
基本法は1999年の制定以来一度も改正されていない。
同省は国家非常事態に対処するための政府全体の意思決定プロセスの必要性を基本法に明記した後、食料流通に関する法律の起草を計画している。
考えられる案の一つは、花卉農家に米やジャガイモの栽培を命令する権限を与えることだ。
法律に盛り込まれる可能性のある他の措置には、価格つり上げや食料買い占めを防ぐための価格統制や配給が含まれるだろう。
国家非常事態には、武力紛争時の輸送停止、気候変動による世界的な収穫不作、感染症流行による供給システムの混乱などの命令が考えられる。
こうした措置は、緊急時の食料安全保障のために農業省が定めたガイドラインにすでに盛り込まれていたが、同省当局者らは、こうした措置を実施するには法的裏付けが必要だと感じていた。
同省関係者によると、ドイツや英国など他の国も近年、適切な食料供給を保護するための指令を出す権限を閣僚に与える法律を可決したという。
たとえ自給率の高い作物であっても、そのような食料品を収穫するために日本は燃料を輸入する必要があるため、日本は高いエネルギー価格にさらされていると当局者らは指摘した。
日本総合研究所の石川知久シニアエコノミストは「輸入全面停止など本当に悲惨な状況が生じた場合、最後の手段として私権制限も避けられないかもしれない」と述べた。
「しかし、そのような制限は必要最小限に限定されるべきであり、そのような権利が実際に制限される場合の金銭的補償についてのルールは事前に確立されるべきです」と石川氏は述べた。
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