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支持率に溺れる岸田氏は経営を再考すべき

支持率に溺れる岸田氏は経営を再考すべき

首相が官邸主導の体制を過信し、的確な説明と調整を進めなければ政策は前に進まない。 岸田文雄首相は政権運営のあり方を見直す必要がある。

読売新聞社が11月に実施した世論調査によると、岸田政権の支持率は前月より10ポイント下落し24%となった。 これは2021年10月の岸田政権発足以来最低の数字で、内閣支持率が20%台に落ちたのは2012年末の自民党政権復帰以来初めてだ。

岸田氏自身は不祥事や不祥事に関与していなかったので、首相自身も支持率の低下に動揺したはずだ。

調査では、所得税などの定額減税を決めた政府の決定について、回答者の61%が「よく思わない」と回答した。 最も多かった理由は「選挙手続きのように感じる」で44%だった。

岸田内閣は防衛力強化や少子化対策に向けた財源確保を議論していた。 しかし、増税への批判が強まると、首相は突然減税を発表した。

最新の世論調査は、国民が今回の減税が次期下院選挙を前に支持を獲得する試みであると感じていることを示している。 内閣改造後に副大臣2名と政務官1名が不正で辞任したことも影響した可能性がある。

しかし、6月以降支持率は低下傾向にある。

先の通常国会では、個人認証制度をめぐる問題が相次ぎ、岸田政権は現行の保険証を来秋に廃止し、マイナンバーカードと機能を統合することを一方的に決定した。 健康保険証としても機能するマイナンバーカードについては、多くの国民が不安を抱いている。

岸田政権はまた、「不当な差別」の定義が不明確であるなど課題を残したまま、LGBTマイノリティ理解促進法を十分な議論なく強行採決した。

首相は、広島で開催されるG7サミットまでにこの法律の制定作業を完了するよう指示したと伝えられている。

この法案は保守派を岸田氏から遠ざけたと言われている。

長期政権となった安倍政権の場合、自民党支持者の内閣支持率は平均90%だったが、最新の世論調査では53%にとどまる。

岸田政権は防衛力強化や少子化など時宜を得た課題に取り組んでいる。 しかし同時に、政策決定の手法については疑問も残る。

異例の出生率対策にしても減税にしても、首相は一部の側近国会議員の独断的な考えに大きく依存しているようだ。

岸田氏は政府・与党との連携が十分でなく、具体策の策定や財源配分ができないとみられる。

首相は重大な段階を迎えている。 同氏にとって過去の政局運営を真摯に反省することが重要だ。

(読売新聞 2023年11月21日より)