日本時間2024年2月3日16時01分
脱炭素化を実現する手段として、日本の技術による次世代太陽電池への注目が高まっています。 世界的に太陽電池の開発競争が激化する中、日本は技術的優位性を生かして次世代太陽電池の実用化に向けた取り組みを加速する必要がある。
この次世代電池は「ペロブスカイト太陽電池」と呼ばれています。 ペロブスカイトは、特定の結晶構造を持つ物質です。 この構造を含む化合物を溶液に溶解し、それを使用して薄層または他の材料をコーティングすることによって作成できます。
現在、ほとんどの太陽電池はシリコンでできていますが、シリコンは割れやすいため、強化ガラスで保護する必要があります。
ペロブスカイト太陽電池はシート状に加工できるため、軽量で曲げやすいという特徴があります。
これらのセルは、建物の壁、窓、電気自動車の屋根などに取り付けることができます。 室内の照明が悪くても発電でき、スマートフォンやIT機器への利用も想定されている。
この技術は桐蔭大学(横浜)の宮坂力特任教授が先駆者として開発し、2009年に論文を発表した。世界をリードするために日本が率先して実用化することが期待されている。 。 脱炭素化が進む世界。
山間部が多い日本には従来型の太陽光発電に適した場所は多くありませんが、ペロブスカイト太陽電池を活用することで設置可能場所が大幅に広がります。
ペロブスカイトの製造に必須の原料であるヨウ素は消毒剤などに広く使われており、日本はこの物質の生産国として世界第2位です。 天然資源を輸入に依存している日本にとって、この技術はエネルギー安全保障の観点からも非常に重要です。
ペロブスカイト太陽電池を用いた発電技術はすでに確立されており、量産化に向けた技術向上が今後の課題である。
政府はペロブスカイト太陽電池の2025年までの実用化を目指しており、これまでに約500億円の資金を確保し、企業によるペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた研究開発を支援してきた。
日本では積水化学工業株式会社ペロブスカイト太陽電池を施設外壁に実装して量産試験を実施。 パナソニックホールディングス、東芝、化学メーカーカニカなどの企業もこのセルの商品化に取り組んでいる。
日本はペロブスカイト太陽電池の基礎研究で世界をリードしてきた。 しかし、実用化に向けたセルの量産化という点では、開発を積極的に進めている中国や欧州諸国に比べて日本は遅れをとっていると言われている。 日本にとって生産体制の改善は急務となっている。
日本はかつて世界のシリコン太陽電池市場で過半数のシェアを占めていたが、その後、価格競争で中国企業に地位を奪われ、日本企業が次々と市場から撤退した。 中国は現在、シリコン太陽電池の世界生産能力の80%以上を保有している。
日本は自国のペロブスカイト太陽電池で同じ過ちを繰り返すべきではない。 政府による手厚い支援に加え、関係企業間の連携強化も必要ではないでしょうか。
(読売新聞 2024年2月3日より)
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