ボリウッド映画にモチベーションを見出していた元世捨て人、つまりひきこもりは、今ではお気に入りのインド映画を日本の大スクリーンに上映することで代償を払っている。
稲垣典子は「この映画は私と同じように、背中を押してくれる人もいると思う」と語った。 「マドラスビーツ」。
1990年代後半、稲垣は困難な時期を経験していた。 日本の資産膨張経済ブームが終わった直後、彼女は3つの事務所の司法書記官の職を続けて解雇された。
それ以来、彼女は一人で外に出るのが怖くなった。
幸いなことに、約半年後、知人が稲垣にヒンディー語映画『ムトゥ』への出演を勧めてくれた。
彼女は、映画の主人公である地主の下で働く太った男性の「燃えるような笑顔」によって意識を失います。 ある意味、このキャラクターは現在53歳の稲垣に、社会的に孤立した生活から抜け出す勇気を与えた。
「よく笑いました」と稲垣さんは振り返る。 「外に出て仕事をしたり、映画を見たりしたいと思うようになりました。」
稲垣さんは社会復帰後、休暇を利用してインドを訪れ、映画鑑賞や撮影現場の見学を行った。
稲垣監督は2018年の東京国際映画祭で『マドラス・ビーツ』をプレミア上映し、主人公がカースト制度の苦難を乗り越えながらも「ムリダンガム」のドラマーになる夢を追いかける姿を描いた。
彼女は2020年に夫の富久さんと経営する東京の南インド料理店でこの映画のDVDの販売を始めた。 新型コロナウイルス感染症のパンデミック中には、通常の売り上げの4倍にあたる200冊もの本が棚から消えた。
稲垣さんはこの映画の監督であるラジーブ・メノンにメールを送り、日本の多くのファンがこの映画が日本で公開されるのを待っていると伝えた。 彼の返答は、稲垣自身が映画の上映権を購入することを示唆した。
映画上映権の購入にはそれほど費用はかかりませんでした。 稲垣さんは試写会などの上映会場の費用を賄うため、クラウドファンディングで150万円以上を集めた。
『マドラス ビーツ』は昨年劇場公開され、現在も全国で上映中。
現在、稲垣が映画上映会を訪れ、舞台で紹介スピーチをするたびに、ファンは「この映画を誰でも観られるようにしてくれた」と感謝する。
「無関心になりがちです。問題解決者。Twitterマニア。音楽の支持者になりたい。」
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