【摘発】増殖する〝もぐり〟の会員制高級キャバクラ、人気のワケは?

 警視庁麻布署は、無許可で会員制高級キャバクラを営んだとして、飲食店運営会社『SUPER WOMAN』の社長・高橋貴子容疑者(45)=東京都港区青山=を風営法違反(無許可営業)の疑いで現行犯で逮捕した。

 高橋容疑者は今月2日、自身が経営する港区西麻布にある会員制ラウンジ『BOLERO ISM』で、風俗営業の許可を受けずに、女性従業員を客の隣に座らせるなど接客をさせてた疑いが持たれている。捜査関係者によると高橋容疑者は、『BOLERO ISM』を〝完全会員制高級バー〟と偽って営業しており、店の公式サイトには「風俗店ではないので、女性従業員による接待はない」などと記載していたという。

 しかし、同店は無許可で女性従業員に接客をさせたなどとして、これまでに行政処分を4回受けていたという。ところが改善されることはなく、会員にドアを開けるためのICチップを渡すなど、摘発逃れをしていたとみられている。また、同店には約100人の女性従業員が在籍し、1年で2億円近くを売り上げていたとみられている。

 風俗営業の許可を取らなかった理由について高橋容疑者は、「政治家や財界の方が来ていたので、キャバクラと称すると避けられると思った」などと説明しており、容疑を認めているという。

 本誌解説員でジャーナリストの竹村明氏によると、「近年、麻布や恵比寿エリアでこうした〝会員制(リミテッド)ラウンジ〟が増えている」と話す。

「会員制ラウンジについての法律上の明確な定義はありませんが、一般的には次のような形態で営業している店を指します。1つ目は、店から認められ会員となった人しか入店出来ないという会員制方式で営業する。2つ目は、会社経営者や芸能人、スポーツ選手、政治家といた裕福な対象に、高級感をコンセプトにしたサービスを提供するというものです。ホステスは、大学生やOL、モデルやタレントの卵など、若くてきれいな女性が多いです。2000年代頃より、ヒルズ族や新興IT企業の社長などを中心に、金持ちの男性たちから人気を集めています。また、キャバクラなどと違って深夜1時以降にも営業している店が多いという点も人気の理由の一つです」

 また、このような店が流行る背景に、働く女性にとっても好条件だったということが挙げられるという。

「キャバクラのように男性に対して尽くすわけではないので、自分から積極的に営業をする必要もない。店の多くは、週1回でも月1回でもいい出勤の自由さがある上に、最低でも時給2000~3000円という高時給を日払いでもらえ、〝パパ活〟が出来る場所としても人気があるのです。こうした店は、これまで西麻布や六本木に多く存在してきましたが、最近では恵比寿エリアにも増えてきています」

 しかし、その実態は〝キャバクラ〟と何ら変わらないようだ。

「 そもそも〝会員制ラウンジ〟の多くは、〝キャバクラ 〟としての営業許可が降りない場所に存在します。そのため、〝会員制ラウンジ〟や〝会員制高級バー〟などと称し、もぐりで営業しているのです。建前上、ホステスの女性従業員は、『客として店に来た』ことにして、あくまで『客同士が飲んでいる』という体にしているのです。在籍女性に支払われる給料も、別会社から振り込まれるなど、あの手この手を使って摘発逃れを図っていたようです。しかし、実態は〝もぐり〟の会員制キャバクラでしかありません。最近の傾向としては、看板を出さず、入口に見張りを立て、エレベーターで店に向かう際には当該フロアの鍵がないとボタンが押せないなど、取り締まり逃れを行う店も増え、地下化が進んでいました」(同・竹村氏)

 若くて見栄えのする女性を求める男性と、金持ちの男性を求める若い女性ーー。その〝出会いの場〟という側面もあるというのが、会員制ラウンジの実態のようだ。2020年に開催される東京五輪を前に、警視庁はこうした違法風俗店の取り締まりについて強化していく方針のようだ。

(文◎朝比奈ゆう)