東京(ロイター) – 日本政府は木曜日、物価上昇幅の拡大が超低金利に終止符を打つことで市場の期待を維持できる可能性があることを認め、今年のインフレ率は中央銀行の目標である2%を大幅に超えるだろうと予測した。
この試算は、来週の日銀の注目されている金融政策会合に先立って発表されたもので、理事会は四半期見通しを見直し、金利目標の持続的達成に向けた進捗状況について議論する予定だ。
政府は年央の見直しで、4月に始まる会計年度の全体的な消費者インフレ率が2.6%になると予想し、1月時点の予想1.7%から大幅に上昇した。 昨年のインフレ率は3.2%だった。
政府は来年度のインフレ率が鈍化すると予想しているが、インフレ率は1.9%で依然として中銀の目標に近い水準にある。
JPモルガン・チェースのエコノミスト、安達正道氏は「政府のインフレ期待は市場の期待とよく一致している。日銀が今月金利予想を修正しても驚かない」と述べた。
日本の景気回復の脆弱性を強調し、政府は今年度の経済成長見通しを下方修正した。 世界需要の減速が輸出に打撃を与えているため、今年度の経済成長率は1.3%と、1月時点の予想1.5%から下方修正されると予想している。
岸田文雄首相は「日本経済は緩やかに回復している」とし、着実な賃金上昇や企業支出の堅調など明るい兆しが現れていると述べた。
同氏は政府の最高経済会議で「日本がデフレから脱却し、より高い賃金が標準となる社会への移行を着実に進めていくことが重要だ」と述べた。
20年以上にわたるデフレと賃金上昇率の停滞を経て、企業が原材料費の高騰を物価上昇を通じて家計に転嫁し続けているため、日本ではインフレ率が1年以上にわたって中央銀行の目標である2%を超えている。
今年の労働組合との賃金交渉で企業は過去30年間で例のない賃上げを提示し、市場では長期金利をゼロ付近に設定する日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の調整への期待が高まった。
日本銀行の上田和夫総裁は、最近のコスト主導型インフレの上昇は、力強い内需と賃金上昇率の上昇による物価上昇に置き換えられるべきだと主張し、あまりにも緩和的な政策から短期的に脱却する可能性を一蹴した。
しかし、インフレ予測を引き上げたことで、上田氏が前任者による大規模な景気刺激策の段階的廃止に間もなく着手するだろうとの市場の期待は維持される可能性が高い。
中銀は4月の見通しで、生鮮食料品価格の影響を除いたコア消費者インフレ率が今年度1.8%、来年度は2.0%になると予想した。
(取材・木原ライカ) 杉山健太郎氏と梶本哲史氏による追加レポート。 編集:シュリ・ナヴァラトナムとウィリアム・マラード
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